テストが終わったってコトで見ましたよ。コレ。
ってなコトで今日は「のび太とブリキの迷宮」についてのレビューを。例によって今回は思い出話っぽくなるが、ご了承いただきたい。

ある日のび太は海水浴もできて、スキーもできるすてきなホテルの夢をみた。
「やっぱり夢か…」と落ち込んでいると、どこからともなくのび太の家に一個のトランクが届いた。中を空けると、不思議な門がでてきた。そこを抜けると、あの夢のホテルが目の前に!!
 それはブリキン島のブリキンホテルだった。しかも迎えの車も、建物も、支配人も、ボーイもみんなブリキでできたおもちゃだった!!海で遊んで、山でスキーをし、おいしいものを食べるホテルでの楽しい生活が続いたある日、ブリキの飛行機がホテルを襲撃してきた。「タヌキはとらえた!」と言い残してその飛行機は飛び立って行った。「タヌキってドラえもんのことだ! 助けなくっちゃ!!」あわてるのび太の前にサピオと名乗る少年が現れた!
「ようこそ4人の戦士たち」
 サピオはチャモチャ星の人間で、ロボットのナポギストラーに星をのっとられ、いっしょに戦ってくれる戦士をさがすためにチャモチャ星を脱出してきたのだった。
 だが、ドラえもんはサピオを追ってきたロボット軍につかまり連れ去られてしまった。ドラえもんとチャモチャ星の人々を救うためみんなはサピオといっしょに、実は宇宙船だったブリキン島にのって旅立つ。
 サピオの話によると、ブリキンホテルの地下の大迷宮には、サピオのお父さんが残したロボット軍を倒すための発明品がかくされているらしい…。
 のび太たちはそれを見つけることができるのか?ドラえもんとチャモチャ星の人々を救うことができるだろうか?


(※「映画ドラえもん25周年オフィシャルサイト http://dora-movie.com/ より引用)

実はコレ、私が始めて見たドラ映画だった(「雲の王国」が最初だった気もするのだが、ハッキリと記憶があるのはコレ)。
公開されたのが1993年だから、実に11年ぶりにこの映画を見たことになる。
何故に10年以上もこの映画を見ていなかったかといえば、何故だか怖い印象を持っていたからだった。頭でいくら「ブリキの迷宮」のコトを思い描いても、怖い、または不思議な雰囲気だった印象ばかりが蘇ってしまい、最近まで見るのを敬遠していた作品だった。

それでまぁ、テストが終わってヒマになったので、せっかくの機会だということで久々に見たのである。

率直に感想を述べると、面白かったですよ

今回はいつもと違ってパパが物語の発端になるというのも新鮮で良かったし、全編に渡ってスリリングな雰囲気が漂ってて良かったと思うし。しかもいつものように謎解きの要素もきちんとあるし、何よりテンポが良いからダレることがないのだ。

ところで、先程触れた幼いころの「怖かった記憶」についてなんだけど、確かにこの映画は「ドラ」映画史上、最も怖さが漂っているかもしれない。何を隠そう、ドラえもんが映画の冒頭で敵に攻撃され行方不明になってしまうのだ。ドラえもん映画でドラえもんがいないことほど怖いことは無い。ドラえもんは敵の攻撃でコンピューターをショートさせられて2年連続で故障してしまい、映画の中盤以降にならないと出て来ない。その時点で子供にとってはドキドキの展開になる。
「いつも頼りになるドラえもんがいない」
この事は物語全体に緊迫感を与えるのだ。それと同時に、ドラえもんの存在の大きさを(友達としても)改めて立証する効果をも生み出すのだ。

そういう意味で、この映画は怖い。

また今作は前作「雲の王国」同様に物語部分が結構重い。
前作のテーマが環境破壊だったのに対して今回はロボットの反乱。この辺りのテーマは86年の「鉄人兵団」、2000年の「ロボット王国」にも通じるテーマである。
近いうちに本当に起こるかも知れない、この「ロボットの反乱」をユーモラスかつ緊迫感充分に描いている。

「のび太とブリキの迷宮」は子供はもちろん、大人の鑑賞にも充分堪えうる作品だと思うのだがどうだろう?

もう一つ、「ドラえもん」映画の楽しみの一つである主題歌についてなんだけど、今回はあの島崎和歌子が歌っている。作詞はもちろん武田鉄矢なんだけど、今回は今までとは違ってちょっと女の子な歌詞になっており、これも一種独特の味わいがあるんじゃないかな?
ところで、何で和歌子?と思った人も多いと思うが、元々彼女は「魔法少女ちゅうかないぱねま」でデビューしたアイドルだったんだよね。(^^;

最後に、今回は声優陣が凄いでっせ
ナゾの少年・サピオ役に「アラレちゃん」のみどり先生役で知られる皆口裕子さん、ウサギのタップ役に「忍たま乱太郎」のシンベイ、「ドラえもんズ」のドラリーニョ役で知られる鈴木みえ(現:一龍斎貞友)さんなど豪華なラインナップ。他にも屋良有作さん、佐久間レイさん、堀内賢有さん、緒方賢一さんなどが(声の)出演しているので、アニメファンには必見の作品だと思う。

「ドラえもん のび太とブリキの迷宮」
原作・脚本:藤子・F・不二雄 監督・芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
サピオ:皆口裕子 タップ:鈴木みえ ピエロ:堀内賢雄
ガリオン侯爵:屋良有作 ガリオン夫人:佐久間レイ
隊長:緒方賢一 ナボギストラー:森山周一郎

主題歌:「何かいい事きっとある」(歌:島崎和歌子 作詞:武田鉄矢)
     「ドラえもんのうた」(歌:山野さと子)
封切:1993年3月6日 観客動員数:330万人

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