だいぶ間を空けてしまったが、2年ぶりの新作「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」を見てきたのでレビューしよう。

ひょんなことから恐竜の卵のような物を発見したのび太は、その卵を孵化させてみると、白亜紀の日本にいたというフタバスズキリュウが生まれてきた。のび太はその恐竜をピー助と名づけ、内緒で飼い始めるのだが……。


前作「のび太のワンニャン時空伝」から2年。ドラえもんが再びスクリーンに戻ってきた。
今回は、1980年に公開された、映画「ドラえもん のび太の恐竜」のリメイクとなったワケだが、最初はほとんど期待していなかった。リメイクって、結局のところ2番煎じに終わることが多いからだ。だから、正直言って不安だった。
とはいえ、2月3日に始めてこの作品のTVスポットを見たとき、その脅威の映像に驚かされた。それ以前に劇場で予告編を見たときは、いまひとつピンと来なかったんだが、このTVスポットを見てそれまでの不安は全て吹き飛び、その不安は期待へと変わった。

実際、劇場へ足を運んで作品を見てからも、期待は不安へともどることも無く、最後まで作品を安心して楽しむことが出来た。
それでは、今回は例によって、作品の頭から終わりまで順々に感想を述べていこうと思う。

(※注 以下、原作=てんとうむしコミックス「のび太の恐竜」
オリジナル=80年版「のび太の恐竜」
映画・本作=「のび太の恐竜2006」を指す)

・・・っと、作品の話に入る前にイキナリ余談。私がこの作品を見に行ったのは、日本最大の映画館・川崎チネチッタだったのだが、他にも作品が数ある中、ドラえもんだけが別館での上映(隔離?)となっていた。これは恐らく子供が多いことに対しての配慮であろうが、その所為か売店は小さな子供でいっぱい!まぁ子供向けの映画としては正しい姿勢であると言えよう。こういううるさい環境を嫌う方もいらっしゃると思うが、何ていうか私は微笑ましかった。

さて、そういうコトで終始賑やかな雰囲気で映画は始まったワケだが、「ドラえもん」映画といえば、最初にプロローグの一幕があって、のび太の「ドラえもぉ〜ん」でタイトルが出るのが常であった。しかし今回はそれを止め、東宝マークが出た直後にメインタイトルが出る(オープニングが流れる)という構成になった。実は、これはオリジナルと全く同じ構成で、冒頭から早くもスタッフがオリジナルのスタッフに対して敬意を表していることが伺える。こういったオマージュは、そのあとにも何ヶ所か見られる(意識していたかどうかは別として)のでそういったシーンを探してみるのも面白い。

そのオープニングだが、そこに流れたのはオリジナルで使われた「ぼくドラえもん」でも、おなじみの「ドラえもんのうた」でもなく、現在TVで使われている「ハグしちゃお」だった。コレは微妙に寂しい気もしたが、見に来ていた子供たちが元気に歌っているのを聞いて、一安心でもあった。正直、アレに変わってからオープニングが子供たちに浸透しているかどうか心配だったんだけど。
そして本編が始めるわけなんだけれど、最初に黒マスクによる恐竜捕獲シーンが入る以外は、スネ夫が恐竜の卵を見せびらかす〜のび太が卵を見つける〜育てる〜湖で騒ぎが起きる〜のび太とピー助の別れといった一連の展開は原作どおりで、原作を読んでいるファンにとっては嬉しいところだ。しかも原作のセリフを丁寧にアニメ化しているので、原作の素晴らしさが現在の観客に伝わるのも良い。ところどころに挿入された、本作のオリジナルシーンも違和感無く噛み合っていて安心だ。中でも特筆すべきはやはりのび太とパパの絡み。原作では布団を引っ剥がそうとする役割だけのパパだったが、今回は優しいパパのシーンを挿入し、物語に含みを与えている。
ここでの見所は何と言ってもドラえもんの「あたたかい目ぇ〜☆」だ。正直言って若干クドイんだが(^^;子供たちにウケていたのでそれで良い。私は渡辺監督の無駄にキャラの顔が変形する演出がどうも好きになれないんだが、今回ばかりは成功しているようで良かった(ジャイアンの表情なんか頂けない部分もあるけど)。また随所に散りばめられた小ネタの数々もアッパレだ。ファンの方ならご存知だと思うが、のび太の机の上に置いてある恐竜のおもちゃは藤本先生(藤子・F・不二雄)の机に置いてあった物だし、スネ夫がのび太に対して「ウソつきだ」と馬鹿にするシーンで、のび太の後方に書いてある習字の作品の文字が「真実」という文字になっていたりと、ネタに気付くとなかなか楽しい。
こういったのび太とピー助の最初の別れのシーンまでで、映画一本分のボリュームがあり、実に素晴らしい。

さて続いて映画は後半に移るのだが、ここから少し原作と展開が違ってくる。おおまかな流れはそれほど変わらないのだが、やや説明的なセリフがカットされているように感じた。
例えば原作には、のび太の
「ね、一口に一億年というけど、一億年てどのくらいのむかし?」
といったセリフから始まる、時の流れの大きさを痛烈に感じさせる一連のシークエンスがあるのだが、この流れはまるまるカット。これは恐らく児童の観客を意識したための削除なのだと思うのだが、このカットの所為でその後の流れが少々強引になってしまっている。このシーン、個人的に好きだったんだけど。
その後もオリジナルにはあった「640キロ」という具体的な数字が削除されて進む距離がわかりづらくなっているし、そもそも日本へ向けてタケコプターで出発〜湖でティラノサウルスに遭遇までの過程がダイジェストになっていて何だかもったいない。その他にも細かい描写がカットされている(翼竜への恐怖を感じさせるセリフなど)ので「何でここが切られたの?」と疑問を持たざるを得ない。
しかし、だからといって作品自体が悪いものに仕上がっていると言ってしまうのは早とちりと言うものだ。その分、アクションシーンは、従来のドラえもん映画とは一線を画した素晴らしいモノになっている。特に川の氾濫シーンは素晴らしいという他ない。さらに最大の見せ場である滝からの落下シーンも凄まじい迫力で描いている。また個人的に嬉しかったのは、オリジナルで「ドラえもんのうた」が流れたのと同じ箇所に今回の主題歌「ボクノート」のインストゥ・メンタルが流れたことだ。

さてドラえもん、のび太が滝に落下した後は原作とはかなり異なった展開になる。以下にそれを列挙してみると・・・。

・(原作)捕まったしずか、スネ夫、ジャイアンは黒マスクらに“考えを読み取る装置”を使われ「タイムマシンヲノットッテ ニッポンニ カエル」という考えを読まれてしまう→(映画)削除・・・「ノットル」という言葉がマズかったか?
・(原作)ドラ・のびは黒マスクたちに半ば誘導されて基地に着く→(映画)ドラ・のびは基地へと強制連行される
・(原作)黒マスクらを倒したのび太たちの基地からの脱出シーンは無い→(映画)一行はドラえもんのポケットを使って自力で脱出する
・(原作)ドラえもんたちを日本に返すのはTP(タイム・パトロール)→(映画)ドラえもんたちはピー助と別れた後、自力で日本へたどり着く。故にドラたちとTPの直接的な絡みは一切無い

・・・コレが大きな相違点である。実際はもっとあると思うが。まぁ、こうやってわざわざくどくどと列挙してみたが、私はコレはコレでイイと思っている。原作の展開を見たかった気もするが、本作の決定的なテーマである「最後まで自分たちの手で頑張る」といったテーマを尊重させた変更であるように思うからだ。その為に展開が少々強引な部分があるものの、こう変更したために、最後ののび太とピー助の別れが一層引き立つというものだ。横画面にのび太が走るシーンは涙が出た。やっぱり一対一のほうが別れのシーンは盛り上がるんだなぁ・・・。
そしてエンディング。ラストに原作の一こまが挿入されるシーンがあるのだが、この「夕日がきれいだね」のセリフが画面に現れたとき、その涙は最高潮になった。まっ、ちょっと反則な気もするけどね。^^;

一方、毎回恒例のキャスティングと主題歌の話もしていこう。97年以降、芸能人起用が顕著になっている「ドラえもん」映画だが、今回は船越英一郎、神木隆之介、劇団ひとりが参加した。ハッキリ言って今までの芸能人起用は散々な結果だったのだが、今回やっと成功を見た。船越の黒マスクは全く違和感無かったし、神木のピー助も心配する必要は無く、オリジナルのよこざわけい子にも負けないほど見事に演じていた。もちろん劇団ひとりも、芸人だからといってでしゃばることもなく、素直に作品へ力を注いでいた。さらにカメオ出演となったスキマスイッチの二人なんか、ドコに出ているかさっぱりわからないほど、違和感無く演じていた。これはもう嬉しい限りだ。
最後になるが、今回の主題歌は前出のスキマスイッチの「ボクノート」が流れた。これももう非常にイイ出来。武田鉄矢の手を離れた映画主題歌は一部を除いてどうしようも無かったが、今回は画面にも世界観にも違和感無く溶け込んだ主題歌が出来上がった、歌詞を載せることは出来ないけど、未聴の方は是非聞いてみることをオススメする。
ホントはひょっとしたら水田版「ポケットのなかに」が聞けるんじゃないか、と思っていたのはココだけの話・・・

そういうわけで長くなってしまったが全体的に見て素晴らしい作品だった。正直言ってTVアニメとの作画の違いへの違和感や、ランニングタイムの関係による描写不足への不満もあるが、それは来年に期待というコトで(^^;
来年といえば、来年はどうなるんだろう?このままリメイク路線を続けるとは思えないし、完全な新作になるんだろうが、そうなるともうプロットは出来上がっているハズである。今度はどんな展開になるのか、今年の作品を見たら期待大だ。まぁ、別にリメイク路線を続けてもらっても個人的には構わない。このまま「宇宙開拓史」をまたやるのもイイし、最高傑作と謡われる「鉄人兵団」だとか携帯サイトの人気投票で一位になった「雲の王国」でもイイんだから。

余談になるが、今年の映画も興行的に大成功を収めているようで万々歳だ。私は「前作の半分の15億円いけば成功」なんて消極的に考えていたのだが、まだまだドラえもんには無限の可能性があるということが、この結果によって証明されたということだろう。



来年もこの調子でイイ作品をまた見せてね。









「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」
原作:藤子・F・不二雄 総監督:楠場宏三
脚本:楠葉宏三・渡辺歩 音楽:沢田完 監督:渡辺歩

ドラえもん:水田わさび のび太:大原めぐみ
しずか:かかずゆみ ジャイアン:木村昴 スネ夫:関智一
ピー助:神木隆之助 黒マスク:船越英一郎 ドルマンスタイン:内海賢二
タイムパトロール隊長・オヤジ・主婦A・リサイクル業者・レポーター:劇団ひとり

主題歌:「ハグしちゃお」(歌:夏川りみ)
     「ボクノート」(歌:スキマスイッチ)
封切:2006年3月4日 
今日の「ドラえもん」、書きたいことが山ほどあるので、まずは通常通りに「ドラえもん のび太のワンニャン時空伝」のレビューを。

 のび太は、川でおぼれかけていた子犬を偶然助け、イチという名前をつけてママに内緒でこっそり部屋の中で飼うことにした。そんなある日、裏山に遊びに行くと、裏山は人間に捨てられた犬や猫たちでいっぱいになっていた。「人間って自分勝手すぎるよ!」イチの今後のことや捨てられた犬や猫たちのために、のび太は名案を思いつく。「人間のまだ存在しない大昔に連れていってあげればいいんだよ!」のび太たちは、さっそくスモールライトでイチを含む犬猫たちを小さくしてタイムマシンにのせ、3億年前の人間が誕生する以前の世界へ向かった。人間の住んでいない世界にたどりついたのび太は、イチに“進化退化放射線源(しんかたいかほうしゃせんげん)”を当てて人間の言葉を理解できるようした。そしてこの地で犬猫たちが自分たちの力で暮らしていける方法を教えこんだ。
 日が暮れて帰ろうとするのび太を前に、イチは涙をにじませるのだった。「イチ、約束するよ。明日、必ずくるからね」そう言って、のび太たちはタイムマシンに乗りこんだ。
 翌日、タイムマシンで、再びイチのいる世界へ向かうドラえもんたち。しかし突然時空のねじれに巻き込まれてしまい…。


(映画ドラえもん25周年オフィシャルサイトhttp://dora-movie.com/より抜粋)

「ドラえもん のび太のワンニャン時空伝」は、2004年に公開されたドラえもん映画25作目である。この作品は、映画化25周年記念作として大々的に宣伝され、普段よりも一回りも二回りもスケールの大きな作品となっている。

藤子先生亡き後の「ドラえもん」映画は、正直な話クオリティが落ちてると言わざるを得なかった。それは、脚本のこともさることながら、主題歌の予想以上の変貌や、無駄な芸能人起用など、本来のドラえもんの魅力を損なう映画作りをしていた。とはいっても、興行的には毎年成功を続け、いよいよ2004年に「25周年」を迎えることとなったのである。
個人的に言わせてもらうと、こうも毎年無駄な行動を取るので、今回もほとんど期待していなかった。思い起こせば、「南海大冒険」から、吉川ひなの、江守徹、早見優、SPEED、ウィーン少年合唱団、知念理奈、新山千春など、各界の著名人を声優(若しくは主題歌)に起用し、その度に失敗を繰り返してきた(中には成功したキャスティングもあったようだが)。当時の私にとっても、何かが変わってしまった事は痛いほどわかっていた。今回も島谷ひとみ、泉谷しげるなどの著名人を起用し、もはやもう何も言うまいと思っていた。だが、映画の内容自体にはそれほど絶望はしていなかった。この前年に公開された「のび太とふしぎ風使い」が幾分光が見える内容になっていたからだ。

そういうワケで少しの期待を寄せて本作品を見たのだが、やっと期待に応えてくれたと私は思った。
97年以降の作品の中ではピカイチの出来だと言って良いモノが出来上がっていたからだ。久々に楽しく「ドラえもん」映画を見れたような気がする。いや、別に今までだって楽しんで来なかったワケではない。でも、何かしら“無駄な”要素が入っていて、100%物語に入り込んでいけなかったのだ。ところが今回は、そういった無駄な要素が皆無に等しい。確かに今回も島谷ひとみ、泉谷しげるといった著名人が参加してはいるが、違和感を感じることは意外にも無かった。
ストーリーは、原作の「のら犬イチの国」を膨らませたものだが、膨らませ方が実に上手い。たった数十ページしか無い原作をここまで膨らませた功績は大きいと思う。ココに来て、やっと「大人の観賞に耐えうる作品」に戻ったのではないだろうか。別人だと思っていたハチが実はイチだったというタイムパラドックスを巧みに利用したストーリー展開はドギマギさせられたし、のび太とイチの再会シーンは、不覚にも号泣させられてしまった。演出は完全に「泣かせよう」といったカンジだが、ムリの無いストーリーなので素直に泣けた。しかものび太のおばあちゃんまで登場させ、そこに「ケン玉」の思い出の歌である「もしもしかめよ」まで流すんだから素晴らしいの一言。

ただ、昨年から作画がCGで描かれることになり、それに伴ってキャラクター陣の顔が少々変更されてしまっため、違和感があることはやはり否めない。また、演出が少々過剰な気もするので、その辺りで乗っていけない可能性もある。

しかし、それを差し引いたとしても良く出来た作品であることに変わりはないであろう。80分と言う短い時間でよくここまでまとめたな、と感心させられる。最初から最後までノンストップで物語が進行し、最後まで一気に見られる上に、見終わった後にお腹一杯になれる。間違いなく、藤子先生亡き後の作品で「最高傑作」といっていいだろう。

さて、本作の主題歌は、島谷ひとみが歌う「YUME日和」。曲自体はドラえもんを意識した曲であるとは正直言いづらく、「アイドルの曲」といった印象が強いが、同じくアイドルの曲だった「のび太とブリキの迷宮」島崎和歌子が歌った「何かいい事きっとある」のように劇中で効果的に使われたため、マッチさせることに成功している。また歌としても子供たちの声を入れるなどしているので、演出によって「映画の主題歌」として確立出来ているといえるだろう。

事実上の最終作となった「ドラえもん のび太のワンニャン時空伝」だが、最後に相応しい「傑作」に仕上がったといっても過言ではないだろう。





「ドラえもん のび太のワンニャン時空伝」
原作:藤子・F・不二雄 脚本:岸間信明 
総作画監督:渡辺歩 音楽:堀井勝美 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
イチ:林原めぐみ ダク:関智一 ブルタロー:江川央生
シャミー:かないみか チコ:島谷ひとみ ネコジャラ:泉谷しげる

主題歌:「ドラえもんのうた」(歌:山野さと子)
     「YUME日和」(歌:島谷ひとみ)
封切:2004年3月6日 観客動員数:300万人
見よう、見ようと思ってやっと見れたのがこの作品。

ホントならレビュー書きたいんだけど、ちょっと時間が許さないので、掴みだけ。

見終わって感じたことを箇条書きにしてみようかと。

・本来の主題歌、キョンキョンの「風のマジカル」はやっぱりドラえもんには違和感ありそう。ビデオ版には「大魔境」の「だからみんなで」が収録されてるけど、こっちの方がやっぱり合ってる。
・原作に比べて、全体的に「怖さ」の演出を重視しているような気がする。
・その分、ギャグの面は抑えられているカンジも。
・原作ではかなり色っぽいキャラとして描かれていた美夜子さんだが、映画では幾分抑えられている印象。
・そういえば、この作品でドラの顔が一部修正されたのね。

ざっとこんなカンジ。

きちんとしたレビューはまた後日に。
そんなワケでお久しぶりでございますです。

いやいや、別に更新を怠けていたワケじゃないんだな(^^;
ちょっと、いろいろ忙しかったんだよ。ホントに。。。

とは言いながら、過去の「ドラえもん」映画を見返してる自分は、つくづくちゃっかりしてるよな、と思う今日この頃・・・。

親にも先生にも、誰にもじゃまされない場所に家出しようと考えたのび太たちは、まだ人が住んでいない7万年前の日本へやってくる。ジャイアンは建設大臣、スネ夫は農林大臣、しずかは環境長官、のび太はペット大臣になってさっそく国づくりにとりかかった。のび太は動物の遺伝子アンプルとクローニングエッグを使って、ペガとグリとドラコという想像上の動物を作り出した。
 現代にもどったのび太たちは、時空乱流に巻き込まれ、現代の日本に流されてきた7万年前の原始少年・ククルに出会う。話を聞けば、ククルは中国のヒカリ族の子どもで、ヒカリ族の人々は凶暴なクラヤミ族に襲われてしまったのだと言う。ドラえもんたちはさっそくククルと一緒にヒカリ族を助けに行くことにする。
 7万年前の中国へ向かった一行は、精霊王ギガゾンビに操られているクラヤミ族やツチダマという土偶の怪物から、無事ヒカリ族の人々を助けだし、また襲ってくるかもしれないので安全な日本まで連れていった。
 現代に帰ったドラえもんたちは、7万年前の世界から持ち帰ったツチダマの破片から、それが未来の物質であることを知る。
「ヒカリ族のみんながあぶない!」いそいで7万年前に戻るが、ヒカリ族の村はすでに襲撃された後だった…。
 果たしてドラえもんたちは再びヒカリ族を助けることができるのか!? 精霊王ギガゾンビの本当の正体は…!?


(映画「ドラえもん」25周年オフィシャルサイトhttp://dora-movie.com/より抜粋)



「ドラえもん のび太の日本誕生」は、1989年に公開された「ドラえもん」映画の記念すべき第10作目。今回の舞台は「7万年前の日本」で、「日本誕生のきっかけを作ったのはドラえもんだった」ととてつもなくスケールの大きなお話。10周年に相応しく敵役の「ギガゾンビ」には「サザエさん」の波平さん役で知られる永井一郎さんを迎えるなど、キャストも豪華に。そのお陰か、興行的にも成功を収め、観客動員数は「ドラえもん」映画最高の420万人を記録している。

最初に言っておくが、私が見たのは1996年に放映された所謂「TV放送版」の方なので、オリジナルとは若干感想が違ってくることをご了承いただきたい(恥ずかしながら、どのシーンがカットされてたのか未確認なもので^^;)。
とはいっても、TV放送版でもなかなか面白かったな、この作品。この作品、昔から何度も繰り返し見てるんだけど、濃い出来で素晴らしい。
個人的に好きなシーンといえば、やっぱりぺガやドラコ、グリのシーンだよな。何ていうか、誕生シーンからしてイイんだよね。小さくてかわいいんだもの。それが、立派になってスネ夫やジャイアンをワニから救うシーンは、映画の尺では短い時間なのにも関わらず、思わず「立派になったな」って思ってしまう。あと、ラストののび太との別れも感慨深いなぁ。多分、ドラ映画の中でもホントに涙、涙のラストシーンだと思う。それぐらい感情移入出来るのがイイ。

それにしても、この映画って久々に怖さを感じさせる映画でもあったなぁ。最近のヤツは全然そんなコトないんだけど、初期の「ドラ」映画って楽しさや面白さと共に、怖さも兼ね備えていた気がするんだよな。例えば、「海底鬼岩城」のポセイドンとか、「魔界大冒険」の魔王の心臓とかね。それと同じように、ドラえもんが劇中で語る「神隠し」のハナシだとか、何の表情も無い土偶が襲い掛かってきたりだとか・・・。まぁ、本来のラスボスであるハズの「ギガゾンビ」が実はただのオヤジさんだった、っていうのは微妙に笑えるところではあるんだけどさ。笑えるところといえば、何故かこの作品は食べ物ネタが多かったような(^^; 「翻訳こんにゃくお味噌味」だとかさ。ま、それもこの作品の魅力だよなぁ。

ところで、この作品のラストにはタイムパトロールが登場するんだが、この辺は何かわかりづらかったな。何で猛吹雪の中で倒れているのび太を安全なところまで運ばなかったのが、ハッキリ言って謎。そりゃ「ラーメンのおつゆ」に見立てて栄養ドリンクを飲ませたみたいだけど、ボタンの入った小箱を渡すぐらいなら、せめて安全な洞窟へでも連れていって欲しかった。ラストの伏線になってるのはさすがだけど。
それに、作品的な質も良い方だから、この辺の疑問はあんまり気にならないかもね。

さて、本作の主題歌「時の旅人」は、「釣りバカ」の西田敏行が歌っているのだが、劇中での効果的な使われ方により、一回聞いただけでも心に残る曲調となっており、作品に負けず劣らずな出来となっている。
ちなみにこの曲は、後に作詞を手掛けた武田鉄矢と、作曲を担当した堀内孝雄により、カバーされているそうだ。





「ドラえもん のび太の日本誕生」
製作総指揮・原作・脚本:藤子・F・不二雄
監督:芝山努 音楽:菊池俊輔

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
パパ:加藤正之 ママ:千々松幸子 ククル:松岡洋子
ギガゾンビ:永井一郎

主題歌:「時の旅人」(歌:西田敏行)
     「ドラえもんのうた」(歌:山野さと子)
封切:1989年3月11日 観客動員数:420万人
一応今日で連休が終了するので、いつも通り某レンタルショップから作品を借りてきた。
そんなワケで、今日のお話は「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」

のび太とドラえもん、しずかは、森の中でビデオを撮影中に小さなロケットを発見した。そのロケットは、手のひらに乗るくらいの小さい宇宙人・ パピがのってきたものだった。パピは小さな星、ピリカ星の大統領で、反乱軍からのがれるために地球にやってきたのだった。
 そのころ、特撮ビデオを撮影中のジャイアンとスネ夫は、謎の小さな宇宙戦艦に襲われる。その宇宙戦艦はピリカ星で反乱を起こしているギルモア将軍がパピを探すために送りこんできたものだった!パピをかくまうために、スモールライトで小さくなったドラえもんたちは、「かべ紙ひみつ基地」で戦闘のためのひみつ基地を作るのだった。
 しかし、ギルモア将軍の手下ドラコルル長官は、スモールライトをうばい、しずかを人質にとって、パピの交換を迫ってきた。みんなに迷惑をかけることをおそれたパピは、ひとりで戦艦の待つ公園へ行き、つかまってしまう。
パピを救うために、パピの愛犬ロコロコの案内でピリカ星に向かうのび太たち。
 果たして、パピを助けることができるのか。のび太たちはもとの大きさにもどることができるのか?


(映画ドラえもん25周年オフィシャルサイトhttp://dora-movie.com/より抜粋)


「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」は、1985年に公開された、「ドラえもん」映画の第6作である。

この作品を語る上で外せないモノといえば、一にも二にも主題歌なんだよな。「ドラえもん」映画で主題歌が重要な位置を占めていることは、もう何度も言ってきたが、この作品の主題歌は特筆すべきものであると思う。
その主題歌というのが武田鉄矢さんの歌う「少年期」なのだが、これがもうとにかく素晴らしい。実際、ファンの中でも飛びぬけて人気のある曲らしく、ついこの間完結したドラえもん雑誌「ぼくドラえもん」におけるアンケート調査でも、見事に一位の座を獲得している。
その歌詞と言うのが、

悲しい時には街の外れで 電信柱の灯り見てた
七つの僕には不思議だった 涙浮かべて見上げたら
虹のかけらがキラキラ光る 瞬きするたびに形を変えて
夕闇に一人夢見るようで 叱られるまで佇んでいた

ああ 僕はどうして大人になるんだろう
   ああ 僕はいつごろ大人になるんだろう


といったモノなのだが、これがちょうど作品世界にマッチしてて涙を誘うんだよな。それに、流れるところがホントに良いところでかかるワケで。とにかく、イイんですな。
ハッキリ言ってしまえば、私がこの映画とこの曲に出逢ったのは最近であるが故に、全く持って曲自体に思い入れが無いんだが、例えそうであっても、まるで昔からずっと聞いていたかのように、心に響く力がある。

また、作品の内容自体も主題歌に負けず劣らず良く出来ている。今回改めて見てみたが、マジで面白い。何ていうか、今回の敵はメチャメチャ強いんだよな。最近の「ドラ」映画の敵って、絶対的な強さには欠けるような気がするのだが(「ねじまき」の熊虎鬼五郎とか「ワンニャン」のネコジャラとか)、今回の敵組織はとにかく強い。作戦はほとんどバレちゃうし、兵力も作戦力も明らかに上だし、ドラえもんたちを完全なる「絶体絶命」に追い込んでいる。多分アレ、スモールライトの効き目が切れてドラえもんたちが元の大きさに戻らない限り、負けてただろうなぁ、きっと。だからこそ、ラストでドラたちが大きくなって敵をやっつけていくシーンが映えて面白い。爽快感という意味でもピカイチだしね。なおかつ、そのシーンで「ドラえもんの道具を使わないで解決する」というある意味、意外な展開を描いたのも凄いと思う。
あ、そうそう。もう一つこの映画の魅力を語るとすれば、ゲストキャラの秀逸さだよなぁ。特にあのおしゃべりのロコロコはイイ。こういうキャラ、私は好きだな。そういえば、ロコロコは昨年の「のび太のワンニャン時空伝」にも乗り物として出てたけど、監督はよっぽどこのキャラがお気に入りだったんだろうな(そういえば、「ワンニャン」の劇中で本作と同じように劇中のキャラが主題歌を歌うシーンがあったが、あれもオマージュなのかな?)。
またいつものメンバーの方も、普段はセットにならないスネ夫としずかが共演したりして結構新鮮だったなぁ。

うん、やっぱり80年代の「ドラ」映画にハズレ無しと言っていいだろうね。




「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」
原作・脚本:藤子・F・不二雄 監修:楠部大吉郎
音楽:菊池俊輔 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
パピ:溝恵子 ロコロコ:三ツ矢雄二 ゲンブ:金井大
ドラコルル:屋良有作 出木杉:白川澄子 ギルモア:八名信夫

主題歌:「少年期」(歌:武田鉄矢)
     「ドラえもんのうた」(歌:大杉久美子)
封切:1985年3月16日 観客動員数:240万人

(※この日記に掲載されている「少年期」の歌詞は、掲載にあたって著作権者の許諾を受けておりません。
著作権者の方から何らかの連絡があった場合は、この日記を直ちに削除致します。 )
今日のお話は、「ドラえもん」映画の記念すべき第1作「ドラえもん のび太の恐竜」

恐竜まるごとの化石を発見してみせると宣言したのび太。一生けんめい探した甲斐あって、ついに化石らしきものを探すことに成功した! ドラえもんから借りたタイムふろしきをかぶせて1億年前の姿にもどすと、なんとそれは恐竜のタマゴだった!
 のび太が暖めると、首長竜の赤ちゃんが誕生。ドラえもんとのび太はこの恐竜に“ピー助”と名づけて育てることにした。ところがある日、謎の黒い男がつけねらいだし、のび太とドラえもんは成長したピー助を安心して暮らせる恐竜の時代に返してあげることにしたのだった。
 しかし、ピー助を間違った場所に置いてきてしまい、再びピー助の元へ。ピー助には会えたがタイムマシンが壊れてしまった! のび太とドラえもんはとにかく首長竜が住んでいるという日本へ向かうことにしたのだが…。


(映画「ドラえもん」25周年オフィシャルサイトhttp://dora-movie.com/より抜粋)


実は私、未だにこの作品を見てなかったんだよね(^^;
いやいや、ビデオは9年ぐらい前から家にはあったんだけど、「画が違う」っていう理由でずっと敬遠してたものでね・・・。何ていうか、所謂「平成世代」の私としては、初期のドラえもんの画にはどうしても馴染めなかったんだよな。だから、通常放送で初期の作品が放映されても、画の違いという理由だけで、何かピンと来なかったのが事実なんだよね。
そんなこんなで、先日「のび太の恐竜」のリメイク話を聞いたモンだから、いつまでも見てないってのもどうかと思って、テスト終了後の連休を利用してみてみることにしたのである。

それで、結局見てどうだったのかっていうと、面白いじゃない(^^;
今まで見てなかったのがもったいないぐらい。脚本も良く練られてるし、クライマックスの迫力も凄い。ってか、画の違いなんて、メインタイトルでお馴染みの「ぼくドラえもん」が流れた時に、どこかへ吹っ飛んでしまった。
まぁ、確かに後の大長編に比べれば映像も古めかしいし、スケールもどこか小さいのは否めないかもしれない。それにツッコミどころが無いわけではない。だって「タイムマシン」が壊れちゃっても、「タイムフロシキ」で直しちゃえば済む話でしょ?それに「復元光線」だってあるし。でもそんなツッコミはやっぱりナンセンスなんだよな。それを言っちゃおしまいだっていうか。だって、ひょっとしたらその道具は今使えないのかもしれないし(ドラえもんの道具は使い捨てが多いらしい^^;)。それにその分、のび太とピー助の交流をきちんと描いてるし、所謂「日常の中の非日常」を描いてる。脚本がそういう矛盾をしっかりとカバーしてるんだよな。だからこそ、ラストの別れのシーンが映えると思うし。もともとこの映画は原作の「のび太の恐竜」を膨らませた話だしね。だからなのか、後の映画と比べて原作の色が良く出てるように感じたなぁ。オープニングとエンディングも原作のエピソードでまとめられているし。
だから、公開当時は「90分に水増しされたTVアニメ」と評論家にたしなめられたらしいんだけど、全編に渡って見せ場の連続だし、プテラノドンが襲ってくるトコだとか、ティラノサウルスと恐竜との戦いのシーンだとか、ラストの恐竜ハンターのアジトでのくだりだとか、90分間があっという間に感じられる出来映えだったと思う。

そんなワケで、「ドラえもん」映画の第1作として、非常に良く出来た作品だと思うんだよね。

そうそう。第1作でも武田鉄矢さんが主題歌を作詞している。記念すべき最初の主題歌のタイトルは「ポケットのなかに」。今みたいに劇中で流れることは無いけど(メロディだけは劇中で流れるが)、最後のエンディングにグッと物語を引き締めていててカンジ良いね。(^。^)y-.。o○
そういえば、この曲は「のび太と鉄人兵団」でも使われたんだっけ。なるほど。納得できるなぁ。





「ドラえもん のび太の恐竜」
原作:藤子不二雄 監督:福富博
脚本:藤子不二雄・松岡清治 音楽:菊池俊輔

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
ピー助:横沢啓子 T・P隊員:井上和彦 部下:宮村義人
ドルマンスタイン:島宇志夫 黒い男:加藤精三

主題歌:「ぼくドラえもん」(歌:大山のぶ代)
     「ドラえもんのうた」(歌:大杉久美子)
     「ポケットのなかに」(歌:大山のぶ代・ヤングフレッシュ)
封切:1980年3月15日 観客動員数:320万人 併映:「モスラ対ゴジラ」
また衝動買いしてしまった・・・(汗

どうも私という人間は、店頭で最初に目をつけた商品を購入するクセがあるらしい。まぁ、この作品はDVD出たら買おうと思ってたから、それはそれで良いんだけどね。

さて、今日のお話はそんな衝動買いによって購入した「ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記」

ドラえもんが22世紀の商店街の福引きでもらってきたのは、なんと小惑星。のび太はそこにおもちゃの町・ねじ巻き都市(シティ)を作ることにした。
 生命のねじでぬいぐるみやおもちゃを動けるようにし、タマゴコピーミラーでどんどん増やして、町の住人を増やしていった。しかし、おもちゃたちは進化しはじめていた。
 そこへ、どこでもドアを通って地球から凶悪犯の熊虎鬼五郎がねじ巻き都市にやってきた!
鬼五郎はタマゴコピーミラーで自分の分身をどんどん作り、湖に沈んだ金塊(きんかい)を盗もうとする。しかし、それは金塊ではなく、金色の怪物だったのだ!
 鬼五郎といっしょにドラえもんたちも怪物に追いかけられ、のび太は地割れの中に落ちてしまった。地割れの底で、のび太は襲いかかってきた怪物と話をする。怪物は「種まく者」と名乗り、実は姿を変えながら星に生物の種をまいている神様だったのだ。のび太と話をした「種まく者」は、あとはキミにまかせると言って、ねじ巻き都市から去っていった。
 宇宙へ逃げ出していた鬼五郎は、金色の怪物が去っていくのを見て、ねじ巻き都市の征服にとりかかるのだった…。
 果たしてドラえもんたちは、鬼五郎から、ねじ巻き都市を守ることができるのだろうか?


(※映画「ドラえもん」25周年オフィシャルサイト http://dora-movie.com/より抜粋)


1996年9月23日、マンガ「ドラえもん」の生みの親である藤子・F・不二雄先生が逝去された。この作品は、その藤子先生の遺作となった作品である。
藤子先生が亡くなった当時、私はまだ小学校低学年だったので先生の死というものは、正直まだよくわからなかったのだが、子供心に何か偉大な方がいなくなってしまったという気分になったものだった。確か当時は藤子先生に関する特別番組が数多く放送され、関東では89年の「日本誕生」が「追悼」という形で放送されたのを覚えている。
そしてその翌年に、この「ねじ巻き都市冒険記」が公開されたワケなのだが、公開当時のパンフレットにも藤子先生の死に関しての記述があった。そのぐらい、先生の死はドラえもんファンに大きな衝撃を与えたのだ。

そんなご時世の中で公開された映画だからなのか、久々にこの作品を見ていて当時のことをいろいろと思い出してしまった。
この作品、ファンの間ではいまひとつ評価が芳しくないようだが、私にはとても面白く感じられた。とにかく、次から次へと見せ場のシーンが起こるので、とても興奮させられる。歴代「ドラえもん」映画の中でもハラハラドキドキさせてくれる方ではないだろうか。
物語の冒頭は、大長編のパターンで物語が進行し、生命のねじを使ってぬいぐるみたちに「命」を与え、おもちゃの街を作っていく、という展開なのだが、そこに脱獄犯の熊虎鬼五郎が迷い込み、あわや・・・という風になっていく。その上、星を作った「種まく者」まで登場し、物語に深みを与えていく。しかもその「種まく者」が黄金の巨人の姿で現れ、謎が謎を呼んでいく。
まぁ、敵が脱獄囚であるということでスケールが小さくなってしまったとか、鬼五郎がねじ巻き都市へ迷い込む展開がいささか強引だという難点もあるものの、敵キャラをあえて人間に設定したことで、敵の恐ろしさが倍増しているんじゃないかなぁ?
また、この作品でも大きな見せ場なのが、のび太が崖へ転落するシーンだよなぁ。あのシーンを始めて見た時は、この先どうなるんだろう、とドキドキしたモンである。また、時限爆弾の爆発によってドラえもんも一時気絶するし、「本当に登場人物たちが死んじゃうんじゃないか」と心配になったことをよく覚えている。

と、この映画はかなり見せ場が豊富な所謂「ジェットコースタームービー」なカンジなんだけど、結構テーマは重い。
今回メインとなるドラえもんの秘密道具は「卵コピーミラー」というシロモノなのだが、これって要するにクローン製造機なんだよね。
この設定って、真剣に考えてみると結構ゾッとする。秘密道具で10数人に増えた鬼五郎を見ていると、この歳になってから見たほうが怖さが倍増する。結局鬼五郎は、ラストで彼に潜在していた「善の感情」が蘇り、自首するという結末を迎えるのだが、もしあのまま鬼五郎が複数いたらどうなっていたのだろう?
こんなコトを安易に言うのはどうかと思うが、この作品には「クローンを作るな」という秘められたテーマがあるのかもしれない。

とはいっても、基本は明るい「ドラえもん」映画。やっぱり物語には「希望を持つ」というメッセージが込められているし、「おもちゃが命を持って子供たちと遊ぶ」という誰もが夢見た物語を映像化しているので、久々に暖かい気分になれたね。(^。^)y-.。o○
あと個人的に嬉しかったのは、大好きな前作「銀河超特急」のハナシが出てきたこと。劇中でしっかり「ドリーマーズランド」という台詞が出てきた時は、ホントに嬉しかった。

さてさて、最後はいつもどおり主題歌のお話。
これまで「ドラえもん」映画の主題歌を手掛けていた武田鉄矢さんは、藤子先生の死に伴って「ドラえもん」映画を卒業され、今作から毎回違うアーティストが主題歌を手掛けることになる。
トップバッターとなったのは「ファンキーモンキーベイビー」などのヒット曲で知られる矢沢永吉。「世界の矢沢」と言われるほどのビックネームを持つ彼だから、武田さんの後任には持って来いであると言えると思う。
ただ、個人的にはいまひとつ。主題歌のLove is youは素晴らしい曲なんだが、今回から劇中で使われなくなった所為かイマイチ印象に残らない。また英語の歌詞が多いことも難点だし、世界観にあっているか、ってのも微妙。
寧ろ今回は、この作品でひとまず大長編から退陣した音楽の菊池俊輔さんの功績が大きいと思う。特に黄金の巨人が宇宙へ飛び立つシーンの組曲や、ラストバトルの音楽、そして「のび太のテーマ」ともいえるウェスタンテーマは、物語に大きな効果を与えているよね。
この作品を最後に登板されなくなったのが残念。




「ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記」
製作総指揮・原作・脚本:藤子・F・不二雄
監督:芝山努 音楽:菊池俊輔

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
ピーブ:佐々木望 プピー:白川澄子 ウッキー:よこざわけい子
ホクロ:松尾銀三 種まく者(少年):伊倉一恵 熊虎鬼五郎:内海賢二

主題歌:「Love is you」(歌:矢沢永吉)
     「ドラえもんのうた」(歌:山野さと子)
封切:1997年3月8日 観客動員数:390万人
いよいよ「ドラえもん」の声優陣交代までのカウントダウンが始まった。もうすぐブラウン管からあの聞き慣れた声は聞けなくなってしまう。そう思うと寂しい限りだが、せめて残り少ない日々を旧作「ドラえもん」映画を見ながらしっかりと噛み締めたいと思う。恐らく、今後3月までは「ドラえもん」の話が主流になると思うので、どうか皆さん末永くお付き合い願いたい。
そんなこんなで今日のお話は、1986年に公開された「ドラえもん のび太と鉄人兵団」

どこでもドアで北極に来たのび太は、ロボットの部品を見つけた。それはあまりにも大きいため、ドラえもんたちは鏡の中の世界でロボットを完成させることにした。鏡の中の世界(鏡面世界)は、左右が逆なこと以外は現実の世界とそっくりで、人間は誰もいない世界だ。
 完成したロボットに喜ぶドラえもんたち。ザンダクロスという名前をつけ、そのロボットにのって楽しんでいたが、ロボットには恐ろしいミサイルがついていたのだった…。
現実にもどったのび太は、ロボットの持ち主だという謎の少女リルルに出会い、鏡面世界に入るための道具をかしてしまう。
 のび太とドラえもんが鏡面世界をのぞいてみると、そこには地球を攻撃するための基地が作られているではないか!? そして、ロボットを指揮しているのはリルルだった!! リルルは、ロボットの国メカトピアから地球に鉄人兵団を呼ぶためにやってきたロボットだったのだ!
地球が危ない!! メカトピアの鉄人兵団と闘う決心をしたのび太たち。
 そんな時ケガをおったリルルはしずかに助けられる。しずかの心のこもった手当に、地球征服は間違っているのではないかと考えはじめる…。
 果たして、のび太たちは地球を鉄人兵団からまもることができるのか…。リルルはドラえもんたちと闘ってしまうのか…!?


(※映画「ドラえもん」25周年オフィシャルサイト http://dora-movie.com/より抜粋)

「ドラえもん のび太と鉄人兵団」は1986年に製作された「ドラえもん」映画の第7作目。今回のテーマは「ロボット」。本作はこれまでとは違い全体的にハードな作風で、「ドラえもん」映画の中でもスケールの大きな戦いが繰り広げられる。その為か、現在セルソフトに収録されている予告編にはドラえもんが「今度の映画は何が何だかとにかく凄いぞ。こりゃぁ!」なんていう台詞が収録されていたりする。

さて、この作品は25作の「ドラえもん」映画の中でも極めて評判の良い作品である。映画のタイトルこそ「ロボットもの」よろしくなカンジなんだけど、この作品はドラえもんらしい「友情」を描いた作品なんだよね。
何を隠そうシリーズの中でも「泣ける作品」であることは間違いないんだよ。ホントに。それは、やはりゲストキャラクターであるリルルのキャラゆえなんだよなぁ。
リルルはもともと祖国「メカトピア」の人間狩り作戦を実行するために地球に送られたスパイだったんだけれど、事故で怪我を負いしずかに助けられ、次第に人間に心を開いていく。もともと「機械」という無機質の物体だったリルルが、「心」というモノに目覚めていく姿は非常にイイ。
ラスト、タイムパラドックスによって消えていくリルルの姿は、涙無しでは見られないだろう。っていうか、何度見てもあのシーンは泣ける。しかも大杉久美子さんが歌う主題歌「私が不思議」がリルルが消えていくシーンにかかるので、より一層涙を誘う。とにかく演出の仕方が上手いんだ。
だからこそ、ラストの学校のシーンやのび太の最後の台詞「そうさ。リルルは天使さ!」が心に染みる。
こういうのは、どちらかといえばある程度の年齢になった方が共感できるだろうなぁ。

と、いきなりリルルの話から入ったが、前半から中半にかけてはいつもの日常をきちんと描いている。それが何かイイ。日常をきちんと描くからこそ、非日常がより冴え渡るのだから。だからこそ、のび太たちのロボットの使い道は、「戦う」ことではなく、「どこかへ泳ぎに行くための移動手段」なのだ。
「日常の中の非日常」。これが大長編ドラえもんの魅力だしね。

そーいう世界を描くことによって、通常の登場人物たちが際立つ。例えばのび太としずかの恋物語だとか、スネ夫とジャイアンのやりとりだとか、ドラえもんとのび太のケンカだとか、いつもコミックスやアニメで見ている光景が自然と映画に入っていく。こういうのって、カンタンなようでなかなか難しい。
特にこの作品は「侵略モノ」であるからして、鉄人兵団による東京大破壊のシーンがあったり、湖においてのバトルシーンがあったりと、現実離れした設定が多い。その中においてきちんと日常を描いたのはさすがだな、って思うんだよね。
何度も言うけど、やっぱり「子供向け」だからって馬鹿にしちゃぁいけないんだよ。

さて、最後はいつもと同じように主題歌のお話。
今回の主題歌は先ほども言ったように大杉久美子さんが歌う「私が不思議」。今までの主題歌がドラえもん側の歌だったのに対し、今回はどちらかといえばサブキャラクター・リルルのテーマみたいなカンジ。曲調もいつもとはちょっと違った雰囲気。作詞を手掛けたのは毎度お馴染み武田鉄矢なんだが、今回もその手腕を十二分に発揮している。
あともう一つ、本作は「ドラえもん」映画第1作「ドラえもん のび太の恐竜」の主題歌「ポケットの中に」がもう一つの主題歌として使われている(但し今回は大山さんのソロと言う構成)。あくまで本作品のメインテーマではないけれど、このテーマに沿って「鏡面世界」の無人のスーパーで買い物するドラえもんたちの姿は何か微笑ましかったなぁ。。。

「ドラえもん のび太と鉄人兵団」。間違いなくオススメ出来る作品なので、興味のある方は是非見てみてはいかがでしょう?(^。^)y-.。o○



「ドラえもん のび太と鉄人兵団」
原作・脚本:藤子・F・不二雄 監修:楠部大吉郎
音楽:菊池俊輔 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
リルル:山本百合子 ミクロス:三ツ矢雄二 隊長:田中康朗

主題歌:「私が不思議」(歌:大杉久美子)
    「ドラえもんのうた」(歌:大杉久美子)
    「ポケットの中に」(歌:大山のぶ代)
封切:1986年3月15日 観客動員数:260万人
まったく、衝動買いというものは恐ろしいモノである。
わざわざお年玉を前借りしてまでDVDを買ってしまったよ。
その購入した作品と言うのがこの「ドラえもん のび太と夢幻三剣士」

せめて夢の中ではヒーローになりたいと願うのび太は、ドラえもんがだしてくれた「気ままに夢見る機」で“夢幻三剣士”という夢の世界へ。
 妖精シルクに案内され、ユミルメ国についたのび太は、悪の妖霊大帝オドロームを倒せば、王女シズカリア姫と結婚できることを知り、さっそく白銀の剣とかぶとを手に入れ、剣士ノビタニアンとなって妖霊大帝を倒す旅に出かける。途中、剣士スネミス、剣士ジャイトスや魔法使いのドラモン、城を抜けだして変装したシズカリアが仲間に加わり、竜の血をあびれば不死身になれるという竜の谷をめざすことに。
 竜の谷は不気味な場所だった。スネミスとジャイトスはあっという間に石にされてしまった。石像に化けたのび太は竜のひげを切った! しかし、命までうばうことはできなかった。竜はそんな心やさしいのび太のために、一度だけ生き返ることができるようにしてくれたのだった。
魔の手は国中をおおいはじめていた。次々と現れる妖霊軍たちを倒し、ノビタニアンたちは、ついにオドロームと対決することに…。
 しかし、オドロームの強力な魔法でノビタニアンはとうとう死んでしまう…。こんど死ねば、二度と生き返ることはできない。
 果たして、ノビタニアンは再びオドロームに立ち向かうのか!? 最後にユミルメ国を救うことができるのだろうか!?


(※「映画ドラえもん25周年オフィシャルサイト」 http://dora-movie.com/film_history/history_15.htmlより抜粋)

いやぁ、ホントに久々に見たなぁ、この作品。多分、劇場公開の94年以来だと思う。あ、ひょっとしたら95年の正月のテレビ放映の時に見たかもしんないけど、どっちみち10年ぶりということになるね。だから、全くもって内容を覚えていなかったんだ。90年代初頭のドラ映画で幼い頃の記憶が全く無かったのがこの作品だったからね。

んでまぁ、この歳になって違う視点でこの作品を見てみたワケだけど、感想を一言で言うと、異色作だったなぁ、ってカンジかな。
何を隠そういつもと展開が全然違うんだもの。
これまでの「ドラえもん」映画は、形は違えど、だいたいは「現実世界」が舞台となってはいた(歴史が改変された、なんてことはあったけどさ)。でも今回は舞台が「のび太の夢の中」なのだ。
この設定を聞いた時、生意気ながらも「ちょっと待てよ」と思ったモンである。「映画ドラえもん15周年記念作品」と銘打っておきながら、掟破りの「夢オチ」かよ、と。

ところが、きちんと見てみたら決してそういう夢オチじゃぁなかった。きちんと脚本も練ってあるし、純粋に面白かったし。
ただ冒頭で述べたように、「異色作」だったことは間違いないかな。何がどう、異色作だったかといえば、ドラえもんたちいつものメンバーが主役じゃないんだよね。あくまで主役は「夢の中ののび太たち」。のび太の名前はノビタニアン、ジャイアンはジャイトス、スネ夫はスネミス、ドラえもんはドラモンという魔法使い。しずかちゃんに至っては妖精・シルクと王女・シズカリア姫の一人二役。確かに「夢の中ののび太たち」が主役といっても、その夢を見ているのはのび太たちいつものメンバーなんだけど、ここで注目すべきなのは、ジャイアン、スネ夫、しずかの3人は事実上物語に直接的な干渉はしてないということか。
それがどういう意味か、というと、彼ら3人は知らないうちにのび太の夢に巻き込まれるんだよね(^^;
こういう展開は大長編ではあんまり無かった。寧ろ、単行本の延長線に近い作品のような気がする。まぁ、初期のギャグマンガスタイルのはしりといえるかもしれないけど、こんなカンジの展開もたまには面白いとは思うよ。

とはいえ、多少なりとも違和感が無かったかというとそうではないんだよね。全て夢の中での出来事なので、いまひとつ盛り上がりに欠けるのも事実だし、ストーリーがわかりにくい気もしないでもない。あと、クライマックスにジャイアンとスネ夫が絡まないのも痛いよなぁ。せっかくタイトルが「夢幻三剣士」なのに、ラストに三剣士が揃わないってのはちょっと・・・。

でもまぁ、今回はいろんな意味での「夢」というテーマを扱った作品だから、理屈はいらないのかもしれないね。(^^)
だからなのか、今回は「ドラえもん」映画なら必ずあった伏線が見当たらない。「伏線」が無いというコトは、要するに「理屈なし」で楽しめよ、という藤子先生のメッセージなのかもしれないな。実際、敵キャラの色使いが華やかで良いし、バトルシーンは迫力があって面白い。さらに誰もが一度は夢見た展開をこれでもかと映し出してくれる展開もイイ!そんな「夢」の中でも、のび太が竜を助ける、なんていうのび太らしい名場面があったりもしてきちんと本来のテーマにも沿ってるしね。

さてさて、最後はいつもの主題歌のお話。
今回の「のび太と夢幻三剣士」の主題歌はなんと二つ。それが「夢の人」「世界はグー・チョキ・パー」。両方とも武田鉄矢一座が歌っている。構成は劇中では「夢の人」がかかり、エンディングで「世界は〜」がかかるというモノなんだけど、個人的には「夢の人」一曲で良かったような気もする。いやいや、「世界は〜」も良い曲なんだけど、「夢の人」の方がカッコ良くて世界観にあってたようなカンジだし、いきなりエンディングであれがかかった時はちょっと拍子抜けしたというとか。その分、「夢の人」の方が印象に残ってるんだよね。「ここぞ!」っていう時に劇中で流れるから。

まぁ、こういう展開もたまにはいいか。



「ドラえもん のび太と夢幻三剣士」
製作総指揮・原作・脚本:藤子・F・不二雄
音楽:菊池俊輔 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃理子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
先生:田中亮一 トリホー:田村錦人 スパイドル将軍:屋良有作
ジャンボス:郷里大輔 竜:石丸博也 オドローム:家弓家正

主題歌:「夢の人」「世界はグー・チョキ・パー」(歌:武田鉄矢一座)
     「ドラえもんのうた」(歌:山野さと子)
封切:1994年3月12日 観客動員数:270万人
_| ̄|○

やられてしまった・・・。
テレビ朝日は見事に恐れていたことをやってのけてくれた・・・。

エンディングの主題歌をカットするなよ!(泣

何のことかといえば、昨日放送された「ドラえもん のび太と銀河超特急」の第4章でのこと。今まで私は、ドラえもん映画の醍醐味の一つとして主題歌が挙げられると、うるさいぐらいに言ってきたが、その主題歌をまるまるカットするとは何事か、と(正確にはイントロがちょっと流れたけど)。

確かにね、劇中で一回「私のなかの銀河」が流れるシーンがあったけど、エンディングで流れなきゃしょうがないじゃないの。
ったく、何だかわからんけど最近はドラ映画をテレビで放送しても、中途半端に編集してたり、エンディングをまるまるカットしたりととっても見苦しくなってるんだよね(特に短編なんかひどい編集だよ)。

こんな編集になるんだったら、5回に分けて放送すればいいだろうに
そうしたらノーカットでも放送出来たと思うんだけど・・・。

テレビ朝日の今後の改善に期待したい。


「ドラえもん のび太と銀河超特急」
原作・脚本:藤子・F・不二雄 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
アストン:真殿光昭 ドン:菅原淳一 ジェーン:丹下桜
ボーム:塩沢兼人 車掌:伊倉一恵

主題歌:「私のなかの銀河」(歌:海援隊 作詞:武田鉄矢)
     「ドラえもんのうた」(歌:山野さと子)
封切:1996年3月2日 観客動員数:310万人
体を壊しましたです

いや、ホントに。連日の無理が重なって体がボロボロになっていた。PCをしばらく触っていなかったので、今は時の流れに追いつこうと精一杯。

まぁ、そういうコトで、今日はこの連日に見た「のび太の創世日記」に関するレビューを。

夏休みの自由研究のためにのび太は、ドラえもんの「創世セット」でもうひとつの宇宙を作ることに。地球そっくりの星に生命が誕生する様子を観察するのだ。
 スネ夫、ジャイアン、しずかも参加して共同研究が始まった。
 やがてのび太の作った新しい地球に人類が誕生する。そこには、のび太そっくりの人間がいたので、のび太はその子孫のことが気になってしょうがない。神様になったのび太は、原始時代、神話の時代、おとぎ話の時代と、いろいろな子孫の世話をやいていく。そして、不思議なことにどの時代にも、地底世界の伝説が残っているのだった。
 現代に近い時代、のび太そっくりの野美秀は、南極の大きな穴の探検に出かける。のび太も一緒にもぐると、のび太の作った新しい地球の中身はなんとからっぽで、昆虫人が文明を発達させ、地底世界を作っていた。そう、本当なら、のび太が作った地球では昆虫が栄える世界になっているはずだったのだ。しかし、「創世日記」で地球を作る間ののび太の失敗やわがままのおかげで、地上は人間のものになり、昆虫は地底にかくれて生きてきたのだ。
 昆虫人たちは、なんとか地上を取り戻そうと人間に戦いを挑もうとしていた。果たして、のび太たちはこの戦いをくい止めることができるのだろうか!?


(※「映画ドラえもん 25周年オフィシャルサイト」http://dora-movie.com/film_history/より引用)

本作「ドラえもん のび太の創世日記」は、1995年に公開された映画「ドラえもん」シリーズの第16作目。
今までの「ドラえもん」映画は、ドラやのび太たちが別世界で危機に遭遇し、からくもそれを突破するというのが一つのパターンであったが、今回はのび太が作った第2の地球の人々が主人公であり、ハッキリ言ってのび太やドラえもんたちは脇役である。

とはいっても、大長編の基本要素である謎解きはあるし、事件を巻き起こすのもまたのび太本人なのである。だが、やはりドラえもんたちが物語においては傍観者なので、主観的に物語に絡んでいた今までと比べて、当然客観的に主要5人が絡むので、緊迫感は少々薄いかもしれない。

だが、ジャイアンとスネ夫が危機に遭遇したりもするし、のび太が作った星の中で活躍する人々は、のび太たちのそっくりさんである、という流れなので、違和感を感じるコトはさほどないと思う。
物語のクライマックスに登場する、野美しず代なんかは、まさにのび太たちの未来をイメージして描いている。

いつもと雰囲気はちょっと違うが、楽しむことは出来るハズだ。

ところで、今回は46億年前の地球誕生から、明治時代(だと思われる)までの歴史を追った展開になっているので、その時代ごとに、いろんな物語のパロディを見ることが出来る。例えば、平安時代のシーンには芥川龍之介「羅生門」のパロディなんかが登場したりする。この辺りは、大きくなってから見るからこそ、楽しむコトが出来るのだ。

最後に、「ドラえもん」映画のメインテーマの一つである主題歌なんだけど、今回は海援隊が歌っている。今までずっと大長編の主題歌の作詞を手掛けてきた武田鉄矢だけど、海援隊として歌ったのは今回が初めて。その主題歌の「さよならにさよなら」は柔らかい曲調で、聞いていて和んだ気持ちにさせてくれる。
この海援隊は、次作「のび太の銀河超特急」でも主題歌を歌っていることは承知の事実である。

「ドラえもん のび太の創世日記」、一度ご覧あれ。

「ドラえもん のび太の創世日記」
原作・脚本:藤子・F・不二雄 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
ノンビ・ノビ彦・ビタノ:林原めぐみ 野比奈:辻村真人
野美秀:井上和彦 源しず代:玉川紗己子 出木松:速水奨

主題歌:「さよならにさよなら」(歌:海援隊 作詞:武田鉄矢)
     「ドラえもんのうた」(歌:山野さと子)
封切:1995年3月4日 観客動員数:260万人
本日のTV「ドラえもん」は映画「ドラえもん のび太と銀河超特急」の第3章。

今日の物語の下りは、
「のび太たちが恐竜の星(中生代の星)に行くところから始まる。

今回は少々短めに。

今回の「銀河超特急」の放送は、第1章、第2章を見ても分かるように、編集の凄まじさが見て取れるんだけど、今回も凄かったねぇ(^^;
やっぱし99分の映画を4分割して放送するコトに無理があったのかもね・・・。

確かに物語の根幹に関わる部分はカットしていないけど、いろんなトコロに編集の粗さが見られるのは残念。特に、BGMがかかってるトコロを途中で切るなんて言語道断。せっかくのメンデルスゾーンの曲が活きないよ。これじゃぁ。

もともとの作品が名作なんだから、もう少し編集は考えて欲しかったなぁ。

とはいうものの、久々にブラウン管から「私のなかの銀河」が流れてくるのはなかなか壮観。

何だかんだ言いながら毎週見てしまうのは、やっぱしこの作品が好きだという証拠なのかなぁ。


「ドラえもん のび太と銀河超特急」
原作・脚本:藤子・F・不二雄 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
アストン:真殿光昭 ドン:菅原淳一 ジェーン:丹下桜
ボーム:塩沢兼人 車掌:伊倉一恵

主題歌:「私のなかの銀河」(歌:海援隊 作詞:武田鉄矢)
     「ドラえもんのうた」(歌:山野さと子)
封切:1996年3月2日 観客動員数:310万人
何だか最近は土日になるごとに過去の「ドラえもん」映画を見返してるんだよね。(^^;
まぁ、11月にはゴジラ映画がBSで10本スカパーで3本、そして地上波で1本放送するから、今のうちにドラえもんを見ておこうと思っているんだけど。

ってなコトで、今日は88年の「のび太のパラレル西遊記」を。

本当に孫悟空はいると信じているのび太は、タイムマシンを使って、1300年前の唐の時代の中国へ。そこでのび太そっくりの孫悟空に出会って大喜び。さっそく現代にかえってみんなに話すが信じてもらえず、みんなをつれてまたまた唐の時代へ出発するのだった。
 唐の時代についたけれど、いつまでたっても現れない孫悟空。しょうがないのでドラもんのヒーローマシンでのび太が孫悟空になりすますことに。でも、やっぱりジャイアンにばれてしまう。さて、現代に帰ってみるとどうも様子がおかしい。ママも先生も角が生えた妖怪のようだ! そう、知らない間にヒーローマシンから妖怪が飛び出して、歴史を変え、地球を妖怪の世界にしてしまったのだ!!
 妖怪を機械の中にもどさないと! のび太たちは西遊記のかっこうでまたしても唐の時代に向かうのだった。
 本物の三蔵法師に出会ったみんなは、さっそく金角・銀角という妖怪と闘う。そんな時、しずかと三蔵法師が連れ去られてしまう。三蔵法師のお供の少年リンレイの話を聞いて、しずかをさらったのは火焔山(かえんざん)に住む妖怪の牛魔王と羅刹女(らせつじょ)だとわかる。
 火焔山についたのもつかの間、みんなは牛魔王につかまってしまう。さらにリンレイが妖怪のなかまだったことがわかる。
 果たしてドラえもんたちの運命は…!?


(※「映画ドラえもん25周年オフィシャルサイトhttp://dora-movie.com/より抜粋)

この映画、ホントに久々の鑑賞だったので、楽しく見ることが出来た。もうかれこれ数年見てないと、新鮮な感覚で映画を見ることが出来るものである。

さてさて、今回の舞台は西遊記の世界をベースにしている。登場キャラも、おなじみ三蔵法師から羅刹女牛魔王などオールキャストが登場する。そして何と言っても、のび太自身が孫悟空になるというのがこの映画のミソなのだ。
物語はのび太が本物の孫悟空に会いに630年の唐の時代(日本では犬上御田鍬が遣唐使として始めて唐に渡った時代)に向かうところから始まる。当然の如く、架空の人物である孫悟空には会えるハズが無いのだが、のび太は実際に自分そっくりの孫悟空に遭遇してしまう。

何故かと言えばコレはタイムパラドックスの影響だったのだ。どのような道筋でこういうコトになったかは、映画本編を見てもらうことにして、とにかくコレは毎度毎度言っている「ドラえもん」映画の謎解きの要素だといえよう。

ところで、今回は謎解きの要素以外にも、このタイムパラドックスが物語の主軸になっている。何せ、ドラえもんが地球の歴史を変えてしまうのだ。
これは驚きである。今までもドラえもんたちがハチャメチャな騒動を巻き起こしてきたが、ドラえもんの過失によってこんな大きな事態が起こったことはない。

そしてもう一つこの映画では、ある掟破りが行われている。それは、のび太たちの日常にまで影響が及ぶということである
実は「ドラえもん」映画の原則として、のび太たちが住んでいる日常の世界には何の影響も及ぼしてはならないというモノがあるのだが、この映画ではそれをきれいに破っている。2作前の「鉄人兵団」の東京大破壊でさえ「鏡面世界」での出来事であった。だが今回はしっかりと日常の世界が危険に晒されているのだ。日常の世界が変貌してしまったのは、大長編「ドラえもん」では後にも先にもこれ一回のみだ。

では何故こんな掟破りが起こったのだろう?
一つは、この作品には通常の大長編ドラえもんが存在しないということが理由に挙げられると思う。実は1988年当時、藤子・F・不二雄先生はご病気であり、ドラえもん映画の常であるマンガ版「大長編ドラえもん」の執筆が行われなかった。そのため、「パラレル西遊記」は作者原案のもと、大長編抜きで作られた映画だったのだ。
この事実はスタッフには大きな戸惑いを起こしただろう。F先生不在だからこそ、「自分たちが何とかしなければならない」という思いがスタッフにはあったのかもしれない。だからこそ、こんな掟破りをしたのだろう。

まぁ、全て想像の粋を出ないんだけれども。

しかし、私としてはこんな掟破りが悪いとは思わない。
シリーズものというのは、どうしても制約に縛られる。世界にはいろんなシリーズがあるが、回数を重ねるごとに束縛に負けてしまうパターンが多い。そんな制約の為に映画がつまらなくなるのだったら、寧ろ大胆に破ったほうがいい。制約を破ることが物語にとってプラスになるんだったら、どう考えたって絶対破ったほうがいい。
特にこの映画はプラスになっている一例だと思うしね。

最後に、主題歌についてだけど、今回は堀江美都子こおろぎ’73が歌っている。作詞はもちろん武田鉄矢。前作の「友達だから」が正統派「ドラえもんソング」だったのに対し、今回はアクション映画にも通じそうな軽快な曲で、戦いのシーンにグッと合っている。

聞いてみて損はない曲なんじゃないかな?

「ドラえもん のび太のパラレル西遊記」
原作:藤子・F・不二雄  脚本:もとひら了 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
三蔵法師:池田勝 リンレイ:水谷優子 羅刹女:栗葉子
牛魔王:柴田秀勝 ドラミ:横沢啓子(現:よこざわ啓子)

主題歌:「君がいるから」(歌:堀江美都子・こおろぎ’73)
     「ドラえもんのうた」(歌:大杉久美子)
封切:1988年3月12日 観客動員数:280万人
さてさて、本日は「のび太と銀河超特急」第2章の放送でしたな。

今回は前半の見せ場である、「列車強盗団の襲撃」のシークエンスが中心の展開であった。このシーンにはメンデルスゾーン真夏の夜の夢がかかる印象的なシーンなんだけどれも、編集が雑で拍子抜け
音楽がかかっているシーンをカットするのはちょっとねぇ・・・。

とにかく、今日の第2章の放送は編集の粗さが目立ったと思う。
放送時間の関係で多少のカットは仕方ないにしても、あれはちょっと見苦しかった。
ということで今日は、放送でカットされたシーンについて語っていこうと思う。

<放送ではカットされたシーン>

・車掌さんのアナウンス「列車は小惑星群を横断。衝突を避けるために急旋回が続きます。お気を付けください」に続く、銀河超特急の小惑星群通過シーン。
・のび太とドラえもんが「西部の星」でガンマン姿に着替えるシーン。のび太曰く「ワイアットアープみたいだろぉ」(^^;
・ジャイアンとスネ夫が「忍者の星」で修行をする、並びに仮免許皆伝を受けるシーン。(このシークエンスは放送ではいきなりジャイアンとスネ夫が城に忍び込む展開になっていた)
・アストン、ドン、ジェーンの3人が「メルヘンの星」の入場するシーン、並びにその星での受付のシーン

・・・といったシークエンスが丸々カット
ちょっと見ていて見苦しかったなぁ・・・。

それはそうと、前回も触れた特別映像のコトなんだけど、これってドラえもんやのび太のNGシーンっていう風に解釈していいのかな?
実写映画でNGシーンが放送されることはよくあるんだけれど、最近ではアニメ映画でもお遊びとしてNGシーンを作る、なんてことがある。「トイストーリー2」「バグズライフ」のエンディングなんかがまさにそれだ。
「ドラえもん」映画も1991年の「ドラえもん のび太のドラビアンナイト」の予告編で、のび太やドラえもんたちの撮影中のスナップが作られていたので、そのノリと解釈するのが妥当だと思うんだけどね。

「ドラえもん のび太と銀河超特急」
原作・脚本:藤子・F・不二雄 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
アストン:真殿光昭 ドン:菅原淳一 ジェーン:丹下桜
ボーム:塩沢兼人 車掌:伊倉一恵

主題歌:「私のなかの銀河」(歌:海援隊 作詞:武田鉄矢)
     「ドラえもんのうた」(歌:山野さと子)
封切:1996年3月2日 観客動員数:310万人
テストが終わったってコトで見ましたよ。コレ。
ってなコトで今日は「のび太とブリキの迷宮」についてのレビューを。例によって今回は思い出話っぽくなるが、ご了承いただきたい。

ある日のび太は海水浴もできて、スキーもできるすてきなホテルの夢をみた。
「やっぱり夢か…」と落ち込んでいると、どこからともなくのび太の家に一個のトランクが届いた。中を空けると、不思議な門がでてきた。そこを抜けると、あの夢のホテルが目の前に!!
 それはブリキン島のブリキンホテルだった。しかも迎えの車も、建物も、支配人も、ボーイもみんなブリキでできたおもちゃだった!!海で遊んで、山でスキーをし、おいしいものを食べるホテルでの楽しい生活が続いたある日、ブリキの飛行機がホテルを襲撃してきた。「タヌキはとらえた!」と言い残してその飛行機は飛び立って行った。「タヌキってドラえもんのことだ! 助けなくっちゃ!!」あわてるのび太の前にサピオと名乗る少年が現れた!
「ようこそ4人の戦士たち」
 サピオはチャモチャ星の人間で、ロボットのナポギストラーに星をのっとられ、いっしょに戦ってくれる戦士をさがすためにチャモチャ星を脱出してきたのだった。
 だが、ドラえもんはサピオを追ってきたロボット軍につかまり連れ去られてしまった。ドラえもんとチャモチャ星の人々を救うためみんなはサピオといっしょに、実は宇宙船だったブリキン島にのって旅立つ。
 サピオの話によると、ブリキンホテルの地下の大迷宮には、サピオのお父さんが残したロボット軍を倒すための発明品がかくされているらしい…。
 のび太たちはそれを見つけることができるのか?ドラえもんとチャモチャ星の人々を救うことができるだろうか?


(※「映画ドラえもん25周年オフィシャルサイト http://dora-movie.com/ より引用)

実はコレ、私が始めて見たドラ映画だった(「雲の王国」が最初だった気もするのだが、ハッキリと記憶があるのはコレ)。
公開されたのが1993年だから、実に11年ぶりにこの映画を見たことになる。
何故に10年以上もこの映画を見ていなかったかといえば、何故だか怖い印象を持っていたからだった。頭でいくら「ブリキの迷宮」のコトを思い描いても、怖い、または不思議な雰囲気だった印象ばかりが蘇ってしまい、最近まで見るのを敬遠していた作品だった。

それでまぁ、テストが終わってヒマになったので、せっかくの機会だということで久々に見たのである。

率直に感想を述べると、面白かったですよ

今回はいつもと違ってパパが物語の発端になるというのも新鮮で良かったし、全編に渡ってスリリングな雰囲気が漂ってて良かったと思うし。しかもいつものように謎解きの要素もきちんとあるし、何よりテンポが良いからダレることがないのだ。

ところで、先程触れた幼いころの「怖かった記憶」についてなんだけど、確かにこの映画は「ドラ」映画史上、最も怖さが漂っているかもしれない。何を隠そう、ドラえもんが映画の冒頭で敵に攻撃され行方不明になってしまうのだ。ドラえもん映画でドラえもんがいないことほど怖いことは無い。ドラえもんは敵の攻撃でコンピューターをショートさせられて2年連続で故障してしまい、映画の中盤以降にならないと出て来ない。その時点で子供にとってはドキドキの展開になる。
「いつも頼りになるドラえもんがいない」
この事は物語全体に緊迫感を与えるのだ。それと同時に、ドラえもんの存在の大きさを(友達としても)改めて立証する効果をも生み出すのだ。

そういう意味で、この映画は怖い。

また今作は前作「雲の王国」同様に物語部分が結構重い。
前作のテーマが環境破壊だったのに対して今回はロボットの反乱。この辺りのテーマは86年の「鉄人兵団」、2000年の「ロボット王国」にも通じるテーマである。
近いうちに本当に起こるかも知れない、この「ロボットの反乱」をユーモラスかつ緊迫感充分に描いている。

「のび太とブリキの迷宮」は子供はもちろん、大人の鑑賞にも充分堪えうる作品だと思うのだがどうだろう?

もう一つ、「ドラえもん」映画の楽しみの一つである主題歌についてなんだけど、今回はあの島崎和歌子が歌っている。作詞はもちろん武田鉄矢なんだけど、今回は今までとは違ってちょっと女の子な歌詞になっており、これも一種独特の味わいがあるんじゃないかな?
ところで、何で和歌子?と思った人も多いと思うが、元々彼女は「魔法少女ちゅうかないぱねま」でデビューしたアイドルだったんだよね。(^^;

最後に、今回は声優陣が凄いでっせ
ナゾの少年・サピオ役に「アラレちゃん」のみどり先生役で知られる皆口裕子さん、ウサギのタップ役に「忍たま乱太郎」のシンベイ、「ドラえもんズ」のドラリーニョ役で知られる鈴木みえ(現:一龍斎貞友)さんなど豪華なラインナップ。他にも屋良有作さん、佐久間レイさん、堀内賢有さん、緒方賢一さんなどが(声の)出演しているので、アニメファンには必見の作品だと思う。

「ドラえもん のび太とブリキの迷宮」
原作・脚本:藤子・F・不二雄 監督・芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
サピオ:皆口裕子 タップ:鈴木みえ ピエロ:堀内賢雄
ガリオン侯爵:屋良有作 ガリオン夫人:佐久間レイ
隊長:緒方賢一 ナボギストラー:森山周一郎

主題歌:「何かいい事きっとある」(歌:島崎和歌子 作詞:武田鉄矢)
     「ドラえもんのうた」(歌:山野さと子)
封切:1993年3月6日 観客動員数:330万人
本日のTV「ドラえもん」は「今夜公開!!誰も知らないドラえもんの秘密スペシャル!」 と銘打った二時間スペシャルだったのだが・・・。

地震の発生により休止となってしまった。
(正確には7時から8分間だけ放送されたので、中断というべきか)

とはいえ、地震が起きてしまったものは致し方あるまい。
実際、新潟周辺は大規模な被害が出ている。「ドラえもん」の放送あるなし云々について語ることは不謹慎だろう。

被害に遭われた方の無事を祈ります。



さて、昨日放送された「のび太と銀河超特急」の「特別映像」のコトなんだけど、どうも、後から作ったモノっぽいんだよね〜。
今日、改めてビデオを見返してみたんだけど、作画はしっかりと劇場版と同じセル画で作られているし(現在の「ドラえもん」はデジタル画で作られている)、ドラえもんやのび太たちの顔の絵なども劇場版と同じ。

でも、ドラえもんの声が8年前のそれとは少々違う気がするんだよね。
まぁ、未使用シーンっていうのはアフレコが行われないってコトがあってもおかしくはないから、声のコトに関しては説明が付くんだけど・・・。

もう少し日にちが経てば、この件に関しての情報が入ってくるかなァ?
今週からTVの「ドラえもん」は1996年に公開された映画「ドラえもん のび太と銀河超特急」を4週に渡って放送することになっていた。

私は個人的にこの作品は大好きなので、放送前から楽しみにしてたんだけど、まぁノーカットでの放送はナイだろうと最初から踏んでいた(^^;
何せ、オリジナルが99分なのに対して、30分番組の放送時間はCMを抜かすと25分
そのため例え4週に分けて放送するとしても、
25×4=100

となって1分しか余裕が出来ず、絶対にノーカットで放送なんかできっこナイのだ。
とは言っても、1997年の秋にテレビ放送された時よりも編集の雑さは目立たなかったので、その辺は良しとしよう。

ってかノーカットかどうかなど今回はもはやどーでもいい。
今回の目玉は何と言っても特別映像なのだ。
「どうせ『特別映像』なんて銘打ってても、大したモンは放送しないだろー」なんて思ってたんだが、見事に覆された。
どうやらその特別映像なるモノは、未使用映像っぽいモノだった。通常の映画の場合、DVDに未使用映像が収録されることが多いのだが、「ドラ」映画のDVDの特典映像は予告編のみで、未使用映像などが収録されることは今まで無かったのだ。

多分、後にも先にもこの未使用映像が放送されることはナイだろうから、後の3週分のTV「ドラえもん」は必見である。

ところで、「っぽい」という形容詞を付けたのには理由がある。
今日は全部で三つの未使用映像が放送されたのだが、そのうちの一つがどうしても未使用とは思えず、後で作ったんじゃないか?ってカンジのモノだったのだ。
でも、実際の未使用映像だったら藤子先生に失礼だし・・・。

少し調べてみよう(笑

「ドラえもん のび太と銀河超特急」
原作・脚本:藤子・F・不二雄 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
ボーム:塩沢華人 車掌:伊倉一恵

主題歌:「私のなかの銀河」(歌:海援隊 作詞:武田鉄矢)
    「ドラえもんのうた」(歌:山野さと子)
封切:1996年3月2日  観客動員数:310万人 
今日はテスト前にも関わらず体調を崩してしまった。

家にいてもやるコトがないし、突然この「のび太とアニマル惑星」を見たい衝動に駆られたので、午前中はずっとコレを鑑賞していたのである(テスト勉強すればいいじゃない、というツッコミはなしにして)。

ってなことで、今日はこの「のび太とアニマル惑星」のレビューを。

ある晩、のび太はピンクのもやを見つける。その中を入っていくと、2本足で人間のように暮らす動物たちがいた。さっそくしずかとドラえもんを連れて夢の正体を探りに行くことに…。
 再びピンクのもやの中へ入った3人は、チッポという犬の少年に出会い、町を案内してもらう。そこはいろいろな動物たちが、公害のない文明の中で平和に暮らしているアニマル惑星だったのだ。さらにチッポたちの先祖たちは昔は月に住んでいて、悪魔ニムゲにいじめられたために、星の船でやってきた神様に、光の階段でこの星に導かれたのだといいう。
「光の階段は、どこでもドアみたいなあのピンクのもやのことじゃないか? それが偶然地球につながったんじゃないかな?」とドラえもんは思いつく。
 ピンクのもやを通っていったん地球にもどったみんなは、すぐにチッポからSOSのメッセージを受け取る。宇宙救命ボートでさっそく動物の国へ行ったが、もうすでにニムゲの軍隊にあとかたもなく破壊されていた。ニムゲはこの美しいアニマル惑星を征服しようとしているのだ。
 運がよくなるツキの月を飲み込んだのび太はチッポのいとこのロミを助け出すが、ニムゲの軍隊はどんどん増えてきて、ひみつ道具だけでは戦えそうにない!
 果たしてドラえもんたちはアニマル惑星を救うことができるのか?


(※映画「ドラえもん」25周年・オフィシャルサイトhttp://dora-movie.com/ より引用)

1990年に公開された、映画「ドラえもん」シリーズの第11作目。今回は、宇宙の果てにあるアニマル惑星を舞台とした物語になっている。

今回はいつものように冒頭にサイドストーリーを設けるのではなく、いきなりのび太がピンクのもやをさまよっているところから物語が始まる。
単刀直入に物語の本題に入るので、この辺りはわかりやすい。

さらに物語の前半は、誰でも昔は絵本で読んだことがある「犬のおまわりさん」だったり「拝啓。黒ヤギさま、さっきの手紙の御用事なぁに?なんていう物語のパロディが登場したりとけっこう微笑ましい。

でも、物語の本筋は結構重い。

当時は1990年代に突入したばかりで、環境破壊が叫ばれ始めた年だった。この「アニマル惑星」は映画「ドラえもん」シリーズで初めて環境破壊をテーマに扱った作品だった。敵キャラであるニムゲなどは、環境破壊を続ける人類の末路の象徴として描かれている。

このキャラクターは、まさにメタファーそのものである。

子供向きの映画だからといって見くびってはいけない。

また、主人公のチッポたちの星、アニマル惑星の設定もそんな環境破壊へのメッセージを投げかけているようでならない。
食料は、水と酸素と光を合成させて作っているし、何より「汚水処理装置が完璧」というのが最も大きいと思う。

とはいっても、基本は娯楽映画である。
しかし、楽しみながらも映画というのは「見終わってから何か考えさせられる」という暗黙の了解が製作者の中には昔からあったと思うし、この映画(と言うか「ドラえもん」は)それを忠実に守っているようだ。

ところで、今回も「ドラえもん」の楽しみの一つである「謎解き」の要素が散りばめれており、その辺りもまた楽しみの一つ。

その楽しみという意味では、やっぱり「ドラえもん」映画は主題歌ありきなのだ。
今回の主題歌「天までとどけ」もなかなか良い曲である。
しかも歌っているのはおなじみ武田鉄矢。そして作曲は「アリス」の堀内孝雄。

それにしても、武田鉄矢はホントに歌詞の書き方が上手いよね。


「ドラえもん のび太とアニマル惑星」
原作・脚本:藤子・F・不二雄 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
ママ:千々松幸子 チッポ:田中真弓

主題歌:「天までとどけ」作詞・歌:武田鉄矢 作曲:堀内孝雄
    「ドラえもんのうた」歌:山野さと子
さてさて、私の学校では文化祭が始まったワケだが、
教室の番などでとにかくヒマなので本をいくつか持ち込むコトにした。

その一つが、この「のび太と竜の騎士」である。

これは以前レビューを書いた映画「ドラえもん のび太と竜の騎士」のマンガ版。
藤子・F・不二雄氏が実際に書いた原作本である。

内容は当然映画に沿ってあるのだが、細かいセリフや場面が映画と異なっており、その細部の違いを探すのも面白い。
またマンガの場合はコマの大きさなどで場面の臨場感を高めている部分もあるため、映画とは一味違った面白さが伺える。

それで、先に触れた映画とマンガの違いなのだが、
映画ではの都合で切られてしまう部分も、マンガでは残っていたり、映画化に伴って短かったシーンを音楽と相まって長くするなどかなりの違いがあったりする。

この「のび太と竜の騎士」ではそれ程の違いは無いのだが、83年に公開された「のび太と海底鬼岩城」などでは展開にかなり違いが見られて興味深い。

是非一読してみてはいかがだろうか。
本日は先日レンタルしてきた「ドラえもん のび太と竜の騎士」のレビューを。最近レビューばっかりだって?そんなコトはないでしょう。何ですか、その目は?(^^;

0点のテストをかくすため、ドラえもんのどこでもホールで偶然、地下に広い空洞を見つけてたのび太は、みんなをつれて地底探検に乗り出す。ところが楽しく遊んでいる最中にスネ夫がどこかに迷い込んでしまった!
 必死でスネ夫を探すのび太たちは、人食い人種ナンジャ族に捕らえられてしまう。危機一髪でのび太たちを救ってくれたのは竜の騎士のバンホーだった。
 みんなはスネ夫が首都のエンリルに保護されていると聞いて、バンホーと一緒に船旅に出かけた。
 美しい首都エンリルでスネ夫と再会したみんなは、バンホーの妹ローの案内で街を案内してもらう。
 しかし、みんなとはぐれたのび太は地底人たちが地上世界を征服しようとしていることを知って、みんなを連れて地上へもどろうとするが、またしてもナンジャ族につかまってしまう。
 そこに巨大な船が現れてのび太たちを6500万年前の地上に連れていってしまう。この巨大な船はなんとタイムマシンだったのだ!地底人たちはこの船で時間をさかのぼり、この時代の恐竜をほろぼした何かと闘おうとしていた。そうとは知らないのび太たちは「風雲ドラえもん城」にたてこもって立ち向かう。まさに戦いのまっただ中になんと巨大水星が落ちてきた…。
 果たしてドラえもんたちは助かるのか!? 地底人によって地上は征服されてしまうのか!?


(「映画ドラえもん25周年オフィシャルサイト」 http://dora-movie.com/top.html より引用)

「ドラえもん のび太と竜の騎士」は、映画「ドラえもん」シリーズの第8作。大長編が世間的にも定着し、次作「のび太の日本誕生」で記録的な大ヒットを起こす前年に製作された作品。まさに、ドラえもんブームの真っ只中に製作された作品である(現在でもそのブームは続いていると言ってもいいのけれども)。

今回のテーマはズバリ恐竜絶滅のナゾである。大長編ドラえもんシリーズの一つの流れとして、のび太やドラえもんたちがひょんなコトから事件に巻き込まれると言うモノがあるのだが、今作は「のび太が0点のテストを隠すため」というある意味おなじみのパターンが採用された。
それが「恐竜生存説」とどう繋がるのかは少々疑問なのだが、「絶滅したハズの恐竜は実は地底大陸で生きていた」(予告編より)といった今回のテーマに向かうための日常世界からの入り口は、この「のび太が0点を隠すため」というモノしかなかったのだろう。

作品的には上手くまとまっており、ストーリー的な破綻もないに等しい。この頃になると「ドラえもんはマンネリしている」といった見当違いな批評を行う評論家も出始めたが、一体何処を見ているのだろうか?

さて、一方本作のテーマである「恐竜絶滅のナゾ」のコトなのだが、本作では彗星衝突説を採用している。今ではすっかり通説になった説なのだが、実はこの作品が公開された1987年の時点では、「彗星衝突説」は一般的な説ではなく、「太陽異常説」や「天体爆発による放射能被害説」、はたまた「便秘説」など様々な説が世間を飛び交っていた。ところが、原作者の藤子・F・不二雄氏は、いち早くこの「彗星衝突説」を採用し作品に取り入れた。現在では主流となっているこの説を取り入れた藤子氏の功績は大きい。

ところで、「銀河超特急」の時にも書いたが、今作品も上手く伏線を描いている。
ここまで読んできて疑問に思ったことがあると思う。それは「何故恐竜たちは地底世界で生き延びていたのか?」と言うコト。
実はその答えは意外なところにあった。

毎回思うのだが、映画「ドラえもん」は謎解きの要素が散りばめられており、それをきちんと最後には解決するのが魅力だと思う。

その魅力と言う意味では、今回主題歌がいい。
「笑ってるキミは青空みたい」という歌詞など(著作権の問題が絡むとイヤなので詳しい歌詞は割愛)は胸にしみるモノである。

最後に一つ。もう気付いている方もいると思うが、作品中に登場する「風雲ドラえもん城」は、当時放送されていたある番組のパロディである。

そう言う意味でも、本作は大人が見た方が面白いかもしれない。

「ドラえもん のび太と竜の騎士」
原作・脚本:藤子・F・不二雄 監督:芝山努

ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
バンホー:堀秀行 ロー:神代知恵 
主題歌:「ドラえもんのうた」(歌:大杉久美子)
    「友達だから」(作詞:武田鉄矢 歌:大山のぶ代 森の木児童合唱団)  

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