映画ドラえもん のび太のパラレル西遊記
2004年10月30日 大長編ドラえもん
何だか最近は土日になるごとに過去の「ドラえもん」映画を見返してるんだよね。(^^;
まぁ、11月にはゴジラ映画がBSで10本、スカパーで3本、そして地上波で1本放送するから、今のうちにドラえもんを見ておこうと思っているんだけど。
ってなコトで、今日は88年の「のび太のパラレル西遊記」を。
(※「映画ドラえもん25周年オフィシャルサイトhttp://dora-movie.com/より抜粋)
この映画、ホントに久々の鑑賞だったので、楽しく見ることが出来た。もうかれこれ数年見てないと、新鮮な感覚で映画を見ることが出来るものである。
さてさて、今回の舞台は西遊記の世界をベースにしている。登場キャラも、おなじみ三蔵法師から羅刹女や牛魔王などオールキャストが登場する。そして何と言っても、のび太自身が孫悟空になるというのがこの映画のミソなのだ。
物語はのび太が本物の孫悟空に会いに630年の唐の時代(日本では犬上御田鍬が遣唐使として始めて唐に渡った時代)に向かうところから始まる。当然の如く、架空の人物である孫悟空には会えるハズが無いのだが、のび太は実際に自分そっくりの孫悟空に遭遇してしまう。
何故かと言えばコレはタイムパラドックスの影響だったのだ。どのような道筋でこういうコトになったかは、映画本編を見てもらうことにして、とにかくコレは毎度毎度言っている「ドラえもん」映画の謎解きの要素だといえよう。
ところで、今回は謎解きの要素以外にも、このタイムパラドックスが物語の主軸になっている。何せ、ドラえもんが地球の歴史を変えてしまうのだ。
これは驚きである。今までもドラえもんたちがハチャメチャな騒動を巻き起こしてきたが、ドラえもんの過失によってこんな大きな事態が起こったことはない。
そしてもう一つこの映画では、ある掟破りが行われている。それは、のび太たちの日常にまで影響が及ぶということである。
実は「ドラえもん」映画の原則として、のび太たちが住んでいる日常の世界には何の影響も及ぼしてはならないというモノがあるのだが、この映画ではそれをきれいに破っている。2作前の「鉄人兵団」の東京大破壊でさえ「鏡面世界」での出来事であった。だが今回はしっかりと日常の世界が危険に晒されているのだ。日常の世界が変貌してしまったのは、大長編「ドラえもん」では後にも先にもこれ一回のみだ。
では何故こんな掟破りが起こったのだろう?
一つは、この作品には通常の大長編ドラえもんが存在しないということが理由に挙げられると思う。実は1988年当時、藤子・F・不二雄先生はご病気であり、ドラえもん映画の常であるマンガ版「大長編ドラえもん」の執筆が行われなかった。そのため、「パラレル西遊記」は作者原案のもと、大長編抜きで作られた映画だったのだ。
この事実はスタッフには大きな戸惑いを起こしただろう。F先生不在だからこそ、「自分たちが何とかしなければならない」という思いがスタッフにはあったのかもしれない。だからこそ、こんな掟破りをしたのだろう。
まぁ、全て想像の粋を出ないんだけれども。
しかし、私としてはこんな掟破りが悪いとは思わない。
シリーズものというのは、どうしても制約に縛られる。世界にはいろんなシリーズがあるが、回数を重ねるごとに束縛に負けてしまうパターンが多い。そんな制約の為に映画がつまらなくなるのだったら、寧ろ大胆に破ったほうがいい。制約を破ることが物語にとってプラスになるんだったら、どう考えたって絶対破ったほうがいい。
特にこの映画はプラスになっている一例だと思うしね。
最後に、主題歌についてだけど、今回は堀江美都子とこおろぎ’73が歌っている。作詞はもちろん武田鉄矢。前作の「友達だから」が正統派「ドラえもんソング」だったのに対し、今回はアクション映画にも通じそうな軽快な曲で、戦いのシーンにグッと合っている。
聞いてみて損はない曲なんじゃないかな?
「ドラえもん のび太のパラレル西遊記」
原作:藤子・F・不二雄 脚本:もとひら了 監督:芝山努
ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
三蔵法師:池田勝 リンレイ:水谷優子 羅刹女:栗葉子
牛魔王:柴田秀勝 ドラミ:横沢啓子(現:よこざわ啓子)
主題歌:「君がいるから」(歌:堀江美都子・こおろぎ’73)
「ドラえもんのうた」(歌:大杉久美子)
封切:1988年3月12日 観客動員数:280万人
まぁ、11月にはゴジラ映画がBSで10本、スカパーで3本、そして地上波で1本放送するから、今のうちにドラえもんを見ておこうと思っているんだけど。
ってなコトで、今日は88年の「のび太のパラレル西遊記」を。
本当に孫悟空はいると信じているのび太は、タイムマシンを使って、1300年前の唐の時代の中国へ。そこでのび太そっくりの孫悟空に出会って大喜び。さっそく現代にかえってみんなに話すが信じてもらえず、みんなをつれてまたまた唐の時代へ出発するのだった。
唐の時代についたけれど、いつまでたっても現れない孫悟空。しょうがないのでドラもんのヒーローマシンでのび太が孫悟空になりすますことに。でも、やっぱりジャイアンにばれてしまう。さて、現代に帰ってみるとどうも様子がおかしい。ママも先生も角が生えた妖怪のようだ! そう、知らない間にヒーローマシンから妖怪が飛び出して、歴史を変え、地球を妖怪の世界にしてしまったのだ!!
妖怪を機械の中にもどさないと! のび太たちは西遊記のかっこうでまたしても唐の時代に向かうのだった。
本物の三蔵法師に出会ったみんなは、さっそく金角・銀角という妖怪と闘う。そんな時、しずかと三蔵法師が連れ去られてしまう。三蔵法師のお供の少年リンレイの話を聞いて、しずかをさらったのは火焔山(かえんざん)に住む妖怪の牛魔王と羅刹女(らせつじょ)だとわかる。
火焔山についたのもつかの間、みんなは牛魔王につかまってしまう。さらにリンレイが妖怪のなかまだったことがわかる。
果たしてドラえもんたちの運命は…!?
(※「映画ドラえもん25周年オフィシャルサイトhttp://dora-movie.com/より抜粋)
この映画、ホントに久々の鑑賞だったので、楽しく見ることが出来た。もうかれこれ数年見てないと、新鮮な感覚で映画を見ることが出来るものである。
さてさて、今回の舞台は西遊記の世界をベースにしている。登場キャラも、おなじみ三蔵法師から羅刹女や牛魔王などオールキャストが登場する。そして何と言っても、のび太自身が孫悟空になるというのがこの映画のミソなのだ。
物語はのび太が本物の孫悟空に会いに630年の唐の時代(日本では犬上御田鍬が遣唐使として始めて唐に渡った時代)に向かうところから始まる。当然の如く、架空の人物である孫悟空には会えるハズが無いのだが、のび太は実際に自分そっくりの孫悟空に遭遇してしまう。
何故かと言えばコレはタイムパラドックスの影響だったのだ。どのような道筋でこういうコトになったかは、映画本編を見てもらうことにして、とにかくコレは毎度毎度言っている「ドラえもん」映画の謎解きの要素だといえよう。
ところで、今回は謎解きの要素以外にも、このタイムパラドックスが物語の主軸になっている。何せ、ドラえもんが地球の歴史を変えてしまうのだ。
これは驚きである。今までもドラえもんたちがハチャメチャな騒動を巻き起こしてきたが、ドラえもんの過失によってこんな大きな事態が起こったことはない。
そしてもう一つこの映画では、ある掟破りが行われている。それは、のび太たちの日常にまで影響が及ぶということである。
実は「ドラえもん」映画の原則として、のび太たちが住んでいる日常の世界には何の影響も及ぼしてはならないというモノがあるのだが、この映画ではそれをきれいに破っている。2作前の「鉄人兵団」の東京大破壊でさえ「鏡面世界」での出来事であった。だが今回はしっかりと日常の世界が危険に晒されているのだ。日常の世界が変貌してしまったのは、大長編「ドラえもん」では後にも先にもこれ一回のみだ。
では何故こんな掟破りが起こったのだろう?
一つは、この作品には通常の大長編ドラえもんが存在しないということが理由に挙げられると思う。実は1988年当時、藤子・F・不二雄先生はご病気であり、ドラえもん映画の常であるマンガ版「大長編ドラえもん」の執筆が行われなかった。そのため、「パラレル西遊記」は作者原案のもと、大長編抜きで作られた映画だったのだ。
この事実はスタッフには大きな戸惑いを起こしただろう。F先生不在だからこそ、「自分たちが何とかしなければならない」という思いがスタッフにはあったのかもしれない。だからこそ、こんな掟破りをしたのだろう。
まぁ、全て想像の粋を出ないんだけれども。
しかし、私としてはこんな掟破りが悪いとは思わない。
シリーズものというのは、どうしても制約に縛られる。世界にはいろんなシリーズがあるが、回数を重ねるごとに束縛に負けてしまうパターンが多い。そんな制約の為に映画がつまらなくなるのだったら、寧ろ大胆に破ったほうがいい。制約を破ることが物語にとってプラスになるんだったら、どう考えたって絶対破ったほうがいい。
特にこの映画はプラスになっている一例だと思うしね。
最後に、主題歌についてだけど、今回は堀江美都子とこおろぎ’73が歌っている。作詞はもちろん武田鉄矢。前作の「友達だから」が正統派「ドラえもんソング」だったのに対し、今回はアクション映画にも通じそうな軽快な曲で、戦いのシーンにグッと合っている。
聞いてみて損はない曲なんじゃないかな?
「ドラえもん のび太のパラレル西遊記」
原作:藤子・F・不二雄 脚本:もとひら了 監督:芝山努
ドラえもん:大山のぶ代 のび太:小原乃梨子
しずか:野村道子 ジャイアン:たてかべ和也 スネ夫:肝付兼太
三蔵法師:池田勝 リンレイ:水谷優子 羅刹女:栗葉子
牛魔王:柴田秀勝 ドラミ:横沢啓子(現:よこざわ啓子)
主題歌:「君がいるから」(歌:堀江美都子・こおろぎ’73)
「ドラえもんのうた」(歌:大杉久美子)
封切:1988年3月12日 観客動員数:280万人
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