ゴジラ2000〜ミレニアム〜
2004年11月20日 ゴジラ
「衛星映画劇場」でのゴジラ映画一挙放送、最終日の今日に放送される作品は「ゴジラ2000 ミレニアム」。
まずは説明。
1998年、トライスター・ピクチャーズが製作したアメリカ版「GODZILLA」が公開された。「GODZILLA」は斬新なSFX技術も相まって全世界でヒットしたが、オリジナルのゴジラとのデザインの大幅な違いから、日本版ゴジラの復活を望む声が高まっていた。
よって1999年12月に公開されたのが、シリーズ第23作目の「ゴジラ2000 ミレニアム」である。
この作品は、新世紀に相応しい新しい作品にする為に、ゴジラのデザインが大幅に変更された。その姿は、「ミレニアムゴジラ」と呼ぶに相応しく、喉まで裂けた口や、巨大な背びれが特徴の、とても荒々しいゴジラとなった。また平成「ガメラ」シリーズを意識してか、VSシリーズとは違い、リアルでシリアスな路線で製作された(とはいっても、CCIやフルメタルミサイルなど、ゴジラ映画らしいパラレルな世界観は残されている)。そして物語の舞台は、1954年の初襲撃後、ゴジラが幾度と無く日本を襲っている、世紀末(2000年)の日本だ。
物語は、二つの組織が中心として構成される。一つは篠田雄二(村田雄浩)が主催する「ゴジラ予知ネット」。この組織は、ゴジラを生物として研究し、ネットを利用してゴジラの被害を最小限に抑えようと言う民間組織である。一方、もう一つの組織は片桐光男(阿部寛)が局長を務める「危機管理情報局」(CCI)だ。この組織は1998年に設立されたもので、日本を襲う災害などの情報を分析し、その対策の中心となる国家組織である。
・・・ということで、説明がエラく長くなってしまったが、この作品についていろいろ言っていこう。
この「ゴジラ2000」は、正直巷ではあんまり評判が宜しくない。その原因として考えられるのは、全体的に地味なコト。ゴジラの敵怪獣である巨大UFOや宇宙怪獣・オルガは銀色で彩色されて、見た目の派手さに欠ける。どうしても金ぴかのキングギドラや、極彩色のモスラなどと比べて地味目に見えてしまうのだ。
また暗喩的な表現が多いし、スローモーなカンジでテンポは良いとは言えない。その上、カットの出来不出来の差が激しいのも痛い。
とはいえ、場面場面ごとに見応えのあるカットも結構ある。
例えば、冒頭の根室。船に噛み付くゴジラや人間のすぐ近くまで接近し人間を追い掛け回すゴジラ、根室市外を襲撃し停電の街をせり歩くゴジラなどは圧巻である。
その他、東海村沖の海の中から姿を現すゴジラや、海を泳ぐフルCGのゴジラなど、面白いカットは数多くある。
新宿でのゴジラ対巨大UFOの戦いのシークエンスなんかは、この作品、最大の見所だろう。
しかし、本来の最大の見せ場であるハズのゴジラ対オルガの戦いがいまひとつ盛り上がらない。それに東海村〜新宿のくだりはUFOの話になってしまって飽きてくる。それ故にゴジラが出て来たら待ってました大統領みたいなカンジにはなるんだけど、もう一歩頑張って欲しかった。
一方の人間ドラマもいまひとつ描写不足。キャラ付け自体は濃いものだし、人間関係もしっかりしてるんだけど、説明不足でわかりにくい。しかも最終決戦は「VSモスラ」以来の見てるだけ、の展開。まぁ、巨大生物の前では人間は見てるしかない、っていう展開も好きだけど、登場人物たちをもう少し活躍させてもよかったのではないだろうか。
何だか悪いことばっかり書いてしまったような気もするが、ミレニアムゴジラの造形はとてもカッコよいし、シリアスなタッチはなかなか良い。展開的には大人向けで、深入りできる作品だと思うので、一度は見てみることをオススメする。
「ゴジラ2000 ミレニアム」
製作:富山省吾 脚本:柏原寛司・三村渉 音楽:服部隆之
ゴジラテーマ曲:伊福部昭 特殊技術:鈴木健二 監督:大河原孝夫
篠田雄二:村田雄浩 片桐光男:阿部寛 一ノ瀬由紀:西田尚美
高田:中原丈雄 篠田イオ:鈴木麻由 宮坂四郎:佐野史郎
権野:大林丈志 灯台の職員:近藤芳正 編集長:石井喧一
戦車隊隊長:西村雅彦 園田:ベンガル
封切:1999年12月11日 観客動員数:200万人
北海道・根室の納沙布岬にゴジラが出現し、発電所を破壊しつくした。その姿は、まるで人間の作り出すエネルギーを憎んでいるかのようだった。時を同じくして、茨城県・鹿島灘沖で巨大な岩塊が発見された。新たなエネルギー資源を期待したCCI(危機管理情報局)が引き上げ作業を行っていたその時、岩塊は突如自力で浮上し、東海村に上陸したゴジラに向かった。ゴジラを倒した岩塊は表面の岩を剥がし、メタリックな巨大UFOの姿を現した。岩塊は宇宙人の操る巨大UFOだったのだ。巨大UFOは新宿に飛来すると、スーパーコンピューターに侵入し地球を征服しようとしていた。そこに、怒りのリベンジに燃えるゴジラが上陸してくる。
かくして、東京・新宿を舞台とした戦いが始まった。しかしこの巨大UFOには、さらなる秘密が隠されていた・・・。
まずは説明。
1998年、トライスター・ピクチャーズが製作したアメリカ版「GODZILLA」が公開された。「GODZILLA」は斬新なSFX技術も相まって全世界でヒットしたが、オリジナルのゴジラとのデザインの大幅な違いから、日本版ゴジラの復活を望む声が高まっていた。
よって1999年12月に公開されたのが、シリーズ第23作目の「ゴジラ2000 ミレニアム」である。
この作品は、新世紀に相応しい新しい作品にする為に、ゴジラのデザインが大幅に変更された。その姿は、「ミレニアムゴジラ」と呼ぶに相応しく、喉まで裂けた口や、巨大な背びれが特徴の、とても荒々しいゴジラとなった。また平成「ガメラ」シリーズを意識してか、VSシリーズとは違い、リアルでシリアスな路線で製作された(とはいっても、CCIやフルメタルミサイルなど、ゴジラ映画らしいパラレルな世界観は残されている)。そして物語の舞台は、1954年の初襲撃後、ゴジラが幾度と無く日本を襲っている、世紀末(2000年)の日本だ。
物語は、二つの組織が中心として構成される。一つは篠田雄二(村田雄浩)が主催する「ゴジラ予知ネット」。この組織は、ゴジラを生物として研究し、ネットを利用してゴジラの被害を最小限に抑えようと言う民間組織である。一方、もう一つの組織は片桐光男(阿部寛)が局長を務める「危機管理情報局」(CCI)だ。この組織は1998年に設立されたもので、日本を襲う災害などの情報を分析し、その対策の中心となる国家組織である。
・・・ということで、説明がエラく長くなってしまったが、この作品についていろいろ言っていこう。
この「ゴジラ2000」は、正直巷ではあんまり評判が宜しくない。その原因として考えられるのは、全体的に地味なコト。ゴジラの敵怪獣である巨大UFOや宇宙怪獣・オルガは銀色で彩色されて、見た目の派手さに欠ける。どうしても金ぴかのキングギドラや、極彩色のモスラなどと比べて地味目に見えてしまうのだ。
また暗喩的な表現が多いし、スローモーなカンジでテンポは良いとは言えない。その上、カットの出来不出来の差が激しいのも痛い。
とはいえ、場面場面ごとに見応えのあるカットも結構ある。
例えば、冒頭の根室。船に噛み付くゴジラや人間のすぐ近くまで接近し人間を追い掛け回すゴジラ、根室市外を襲撃し停電の街をせり歩くゴジラなどは圧巻である。
その他、東海村沖の海の中から姿を現すゴジラや、海を泳ぐフルCGのゴジラなど、面白いカットは数多くある。
新宿でのゴジラ対巨大UFOの戦いのシークエンスなんかは、この作品、最大の見所だろう。
しかし、本来の最大の見せ場であるハズのゴジラ対オルガの戦いがいまひとつ盛り上がらない。それに東海村〜新宿のくだりはUFOの話になってしまって飽きてくる。それ故にゴジラが出て来たら待ってました大統領みたいなカンジにはなるんだけど、もう一歩頑張って欲しかった。
一方の人間ドラマもいまひとつ描写不足。キャラ付け自体は濃いものだし、人間関係もしっかりしてるんだけど、説明不足でわかりにくい。しかも最終決戦は「VSモスラ」以来の見てるだけ、の展開。まぁ、巨大生物の前では人間は見てるしかない、っていう展開も好きだけど、登場人物たちをもう少し活躍させてもよかったのではないだろうか。
何だか悪いことばっかり書いてしまったような気もするが、ミレニアムゴジラの造形はとてもカッコよいし、シリアスなタッチはなかなか良い。展開的には大人向けで、深入りできる作品だと思うので、一度は見てみることをオススメする。
「ゴジラ2000 ミレニアム」
製作:富山省吾 脚本:柏原寛司・三村渉 音楽:服部隆之
ゴジラテーマ曲:伊福部昭 特殊技術:鈴木健二 監督:大河原孝夫
篠田雄二:村田雄浩 片桐光男:阿部寛 一ノ瀬由紀:西田尚美
高田:中原丈雄 篠田イオ:鈴木麻由 宮坂四郎:佐野史郎
権野:大林丈志 灯台の職員:近藤芳正 編集長:石井喧一
戦車隊隊長:西村雅彦 園田:ベンガル
封切:1999年12月11日 観客動員数:200万人
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