休みを利用して見た久々の「旧作ゴジラ映画」。
ホントは月曜日に小テストがあるらしいから、そっちの勉強をしなきゃなんないんだけど、やる気が起きない時はやったって仕方ないんだもの。気を紛らわすために久々にこの「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」を見てみたのさ。

54年、66年、96年と三度ゴジラの襲撃を受けていた日本政府は、ゴジラ殲滅の為に防衛庁内に「特別G対策本部」を結成し、自衛隊員の精鋭を結集させ対ゴジラ特殊部隊「Gグラスパー」を結成した。その隊長である辻森桐子(田中美里)は、上官・宮川(永島敏行)を96年の大阪戦で失い、ゴジラへの復讐に燃えていた。
G対策本部が進めているゴジラ消滅作戦とは、プラズマエネルギーを利用したマイクロブラックホール砲「ディメンション・タイド」を使用して、ゴジラを別次元へ送り込むというものだった。だが実験の影響で時空が歪み、古代の巨大トンボ・メガニューラが現代に迷い込み、渋谷を水没させる。さらにメガニューラは太平洋上の奇岩島に上陸していたゴジラを襲いエネルギーを吸収、そのエネルギーを巨大なヤゴへと注入し、群のリーダーである「メガギラス」を誕生させる。
覚醒したメガギラスは東京に上陸したゴジラに襲い掛かる。

果たしてゴジラとメガギラスによる「地球最大の死闘」の行方は?
そしてG消滅作戦の行方は?

逃げるな、戦え。。。人類の英知を決した史上最大の作戦が今、始動する!



まずは説明。
この「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」は2000年に公開された「ゴジラ」シリーズ24作目。監督に「自称ナンバー1ゴジラファン」を自認する手塚昌明を迎え、「明るく楽しいゴジラ映画」を目指して製作された作品。また音楽に「ショムニ」「ごくせん」の大島ミチルを登板。新たなゴジラ映画の可能性を模索している。
出演者にはNHKの連ドラ「あぐり」の田中美里や現在「カミングダウト」や「ごくせん」(第2シリーズ)に出演している谷原章介などを揃えるなど、なかなかのメンバー。

さて。それじゃぁ久々の感想をいろいろと言っていくと・・・。

私の感想を単刀直入に述べると、素直に面白かったかな、という印象かな。前作「ゴジラ2000 ミレニアム」が全体的にダークな作風だったのに対して、今作は極めて明るい雰囲気で見た後に爽快感が残るのが何かイイ。まぁ、実際のところは明るいながらも、シリアスな映画ではあるんだけど。
この作品最大の魅力は、丁寧に描かれた人間ドラマだと思う。もうこれは何度も言ってきたが、ゴジラ映画はどうしても人間ドラマがおろそかになりがちなんだけど、この作品はゴジラにの復讐劇として全体が構成されているので、わかりやすく物語に入っていけた。また「ゴジラ」映画として始めて女性を主人公にした為か、新鮮さが漂っているのが良い。
ただ、劇中で淳少年(鈴木博之)が発する「女の人なのに、どうしてゴジラと戦っているの?」という台詞は公開当時から疑問であった。あんまり過剰に反応するのもどうかとは思うが、まだまだ男女平等への壁は大きいんだな、とも感じてしまったんだよな。でも物語の中で頑張る女性や、男性より少し高いポジションにいる女性を描くことによって、寧ろこの台詞は好意的に受け取ることも出来るかもしれない。

さて、ということでこの作品は人間ドラマが素晴らしいワケだけど、特撮的な面でも見所多し。まさに「空想科学映画」という名が相応しいこの作品には、様々な超兵器が登場する。その中でも目玉といえるのが、ゴジラを吸収・消滅させる兵器「ディメンション・タイド」である。このディメンション・タイドは人工的にブラックホールを形成し、ゴジラをその中に消滅させる破天荒な兵器である。まぁ、科学的には証明できないんだけど、こういう奇想天外な設定を推し進める手塚監督の手腕は見事だと思う。確かにいろいろ難を言えばキリがないんだけど(静止軌道の衛星が垂直に落ちるわけないとか^^;)、そういう科学的矛盾が破綻しない程度に物語に絡むので、物語においてはプラスに働いているのだから、それはそれで良いのではないんじゃないかな?

そして、この作品のもう一つの見せ場はやはり「激しい怪獣バトル」にある。正直前作のバトルは単調すぎて動きが無かったんだけど、今回は着ぐるみどうしの激しい肉弾戦を展開してくれた。しかも、そのバトルがいつもとは一風違うコミカルな感じで面白い。例えば、今までのゴジラでは考えられなかった必殺技ジャンピング・ボディプレスやミレニアムゴジラの背びれを利用したカッター攻撃など、バラエティに富んでいる。一方の敵怪獣メガギラスも、あえて擬人化して表情を作ることによって自然と怪獣バトルにのめり込んでいける。
とは言っても、これもまたいろいろと難を言えばキリは無いんだが。まず、ミニチュアセットがあまりにもミニチュア然としてて興醒めする。特にお台場のセットの出来はひどいもんだ。その他にも照明のあて具合の所為なのか、着ぐるみ丸出しのカットがあったりして、ちょっと・・・な部分もある。

でもね、奇岩島でゴジラに群がる大量のメガニューラだとか、ディメンション・タイドの発射シーンだとか、上手く作られた白黒ゴジラのリメイクだとか、最新CG技術の発達によってそれらのつたなさをカバーしているのはさすが。カバーと言う意味では、音楽を担当した大島ミチルの力もまた大きいだろう。

ってなことでこの作品、どちらかといえば、「傑作」の部類に入ることは間違いないだろう。



「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」
製作:富山省吾 脚本:柏原寛司・三村渉 音楽:大島ミチル
ゴジラテーマ曲:伊福部昭 特殊技術:鈴木健二 監督:手塚昌明

辻森桐子:田中美里 工藤元:谷原章介
新倉誠:勝村政信 美馬和男:池内万作 早坂淳:鈴木博之
細野精一:山口馬木也 奥村知治:山下徹夫 宮川卓也:永島敏行
早坂薫:かとうかずこ 山口剛:中村嘉葎雄 水道局職員:極楽とんぼ
杉浦基彦:伊武雅刀 吉沢佳乃:星由里子

封切:2000年12月16日 観客動員数:135万人

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