フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ
2005年1月26日 映画
最近日記の更新が滞りがちになっていて申し訳ない。
今日のお話は、年末に見たもののレビューを書く機会に恵まれなかった「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」について。
実はこの作品、2月26日に「日本映画専門チャンネル」で放映されるので、未見の方は私のレビューを参考にしていただけるとありがたい。
この作品「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」は、1966年の特撮黄金期に製作された怪獣映画である。当時は「ゴジラ」シリーズが「ゴジラ エビラ モスラ 南海の大決闘」という娯楽作を製作し、TVで「ウルトラマン」の放映が始まるなど、どちらかといえば「明るい特撮」が浸透してきた時代であった。この作品は、そんな世論の中で製作された所謂「恐怖映画」である。
なるほど。観賞してみてわかったが、とにかく怖い映画だ。
同時期の「ゴジラ」映画がコミカルタッチに仕上がっていたのに比べて、ギャップが激しい。
この作品の物語はカンタンに言えば「正義のサンダ」と「悪のガイラ」の兄弟喧嘩なんだけど、悪役怪獣のガイラの性格を徹底的に凶暴に描くことで、忘れ去られていた怪獣の恐怖を描くことに成功していると思う。特に、ガイラを人食い怪獣と設定したことで、怪獣の恐怖を身近に感じさせることを成功させた功績は大きい。しかもその描写の仕方が上手いのだ。例えば、山中でハイキングをしている若者たちをむさぼり食うシーンがあるのだが、あえて食べるシーンを描写せず、食べられた若者たちの服だけが残っているシーンを描くなどすることによって恐怖を煽っている。「見えるものよりも見えないものの方が怖い」とはまさにこのことだな。その他のシーンだと、羽田空港で女性を鷲掴みにするシーンだとか、ビアガーデンで歌っている女性の後方に突如現れるガイラのシーンだとか、「恐怖映画」としての名場面は多い。またヒロインである水野久美がガイラに襲われるシーンは、思わずのけぞることだろう。
とにかく、全編に渡ってガイラの恐怖が染み渡るのがこの作品なのだ。ま、その所為か「正義の怪獣」であるハズのサンダがいまひとつ目立たないような気もしないでもないが、そこはご愛嬌。
さて、この作品のもう一つの主役といえば、やはり
メーサー殺獣光線車の存在が挙げられるだろう。今作品最大の見せ場と言っていいのが、東宝最大のパラボラ兵器ともいえるメーサー車とガイラとの戦闘シーンだな。あ、メーサー車って一体何かといえば、マイクロ波を紫外線レーザーにして発射する東宝の架空兵器のことなのだが、その造形があまりにも素晴らしく、さらに自衛隊の戦車群と共に登場するなど非常に演出が上手いので、ある意味サンダ、ガイラ以上の存在感を醸し出している。特撮技術的にも当時としてはかなりの出来だし、メーサー光線が木をなぎ倒す描写など、なかなか面白い描写もある。それに、伊福部昭の「L作戦マーチ」と呼ばれるマーチが被さるのだからなおイイ。ただ、メーサー車が登場するシーン全てにこのマーチがかかったのには、いささか疑問が残ったが。
ところで、私個人として、この映画の感想はどうだったかっていうと、正直「あんまり・・・」なカンジだったんだな。
「ここまで持ち上げておいて何だ」と思うかもしれないが、やっぱり怖い映画は苦手なんだよね。何ていうか、従来の怪獣映画と同じだと思ってたら悪い意味で度肝を抜かれる。あと私的には怪獣バトルが単調でイヤ。あと、ラストにアレを持ってきちゃうのも反則っぽくってねぇ。。。
まぁ、映画としての出来は見事なので、未見の方は是非。
「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」
製作:田中友幸・角田健一郎 脚本:馬淵薫・本多猪四郎
音楽:伊福部昭 特技監督:円谷英二 監督:本多猪四郎
スチュワート:ラス・タンブリン 間宮雄三:佐原健二
戸川アケミ:水野久美 橋本陸将補:田崎潤 喜田教授:中村伸郎
泉田課長:伊藤久哉 平井:田島義文 風間二佐:桐野洋雄
封切:1966年7月31日
今日のお話は、年末に見たもののレビューを書く機会に恵まれなかった「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」について。
実はこの作品、2月26日に「日本映画専門チャンネル」で放映されるので、未見の方は私のレビューを参考にしていただけるとありがたい。
謎の海難事故が相次いで発生した。それは海に生息する怪物・フランケンシュタインの仕業であった。自衛隊の攻撃により一度は倒したかに思われたとき、もう一体のフランケンシュタインが救けに現れた。海の怪物はガイラ、山の怪物はサンダと名付けられ、共に同じ細胞から生まれたことが判明する。やがてアケミの身の安全をめぐり、二体の怪物は戦いを始めるが……。
この作品「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」は、1966年の特撮黄金期に製作された怪獣映画である。当時は「ゴジラ」シリーズが「ゴジラ エビラ モスラ 南海の大決闘」という娯楽作を製作し、TVで「ウルトラマン」の放映が始まるなど、どちらかといえば「明るい特撮」が浸透してきた時代であった。この作品は、そんな世論の中で製作された所謂「恐怖映画」である。
なるほど。観賞してみてわかったが、とにかく怖い映画だ。
同時期の「ゴジラ」映画がコミカルタッチに仕上がっていたのに比べて、ギャップが激しい。
この作品の物語はカンタンに言えば「正義のサンダ」と「悪のガイラ」の兄弟喧嘩なんだけど、悪役怪獣のガイラの性格を徹底的に凶暴に描くことで、忘れ去られていた怪獣の恐怖を描くことに成功していると思う。特に、ガイラを人食い怪獣と設定したことで、怪獣の恐怖を身近に感じさせることを成功させた功績は大きい。しかもその描写の仕方が上手いのだ。例えば、山中でハイキングをしている若者たちをむさぼり食うシーンがあるのだが、あえて食べるシーンを描写せず、食べられた若者たちの服だけが残っているシーンを描くなどすることによって恐怖を煽っている。「見えるものよりも見えないものの方が怖い」とはまさにこのことだな。その他のシーンだと、羽田空港で女性を鷲掴みにするシーンだとか、ビアガーデンで歌っている女性の後方に突如現れるガイラのシーンだとか、「恐怖映画」としての名場面は多い。またヒロインである水野久美がガイラに襲われるシーンは、思わずのけぞることだろう。
とにかく、全編に渡ってガイラの恐怖が染み渡るのがこの作品なのだ。ま、その所為か「正義の怪獣」であるハズのサンダがいまひとつ目立たないような気もしないでもないが、そこはご愛嬌。
さて、この作品のもう一つの主役といえば、やはり
メーサー殺獣光線車の存在が挙げられるだろう。今作品最大の見せ場と言っていいのが、東宝最大のパラボラ兵器ともいえるメーサー車とガイラとの戦闘シーンだな。あ、メーサー車って一体何かといえば、マイクロ波を紫外線レーザーにして発射する東宝の架空兵器のことなのだが、その造形があまりにも素晴らしく、さらに自衛隊の戦車群と共に登場するなど非常に演出が上手いので、ある意味サンダ、ガイラ以上の存在感を醸し出している。特撮技術的にも当時としてはかなりの出来だし、メーサー光線が木をなぎ倒す描写など、なかなか面白い描写もある。それに、伊福部昭の「L作戦マーチ」と呼ばれるマーチが被さるのだからなおイイ。ただ、メーサー車が登場するシーン全てにこのマーチがかかったのには、いささか疑問が残ったが。
ところで、私個人として、この映画の感想はどうだったかっていうと、正直「あんまり・・・」なカンジだったんだな。
「ここまで持ち上げておいて何だ」と思うかもしれないが、やっぱり怖い映画は苦手なんだよね。何ていうか、従来の怪獣映画と同じだと思ってたら悪い意味で度肝を抜かれる。あと私的には怪獣バトルが単調でイヤ。あと、ラストにアレを持ってきちゃうのも反則っぽくってねぇ。。。
まぁ、映画としての出来は見事なので、未見の方は是非。
「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」
製作:田中友幸・角田健一郎 脚本:馬淵薫・本多猪四郎
音楽:伊福部昭 特技監督:円谷英二 監督:本多猪四郎
スチュワート:ラス・タンブリン 間宮雄三:佐原健二
戸川アケミ:水野久美 橋本陸将補:田崎潤 喜田教授:中村伸郎
泉田課長:伊藤久哉 平井:田島義文 風間二佐:桐野洋雄
封切:1966年7月31日
コメント