怪獣島の決戦 ゴジラの息子
2005年5月4日 ゴジラ
東宝特撮の話も今日で一応の終結。
ラストはやっぱり「ゴジラ」映画で締めよう。
「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」は1967年に公開された、「ゴジラ」シリーズ8作目。監督には前作に続いて福田純が起用され、キャストには久保明、高島忠夫、土屋嘉男、平田昭彦、佐原健二など東宝特撮の常連が顔を揃えた。
この作品は、ゴジラに息子が出来る、ということで当時かなり話題になった作品らしい。とはいっても、私自身は8年前に一回見たっきりだったなので、ストーリーはほとんど覚えていなかった。ゴジラの息子「ミニラ」といえば、最新作「ゴジラ FINAL WARS」でも重要な位置を占めていた人気怪獣だが、それ故に批判も多い。
「こいつがゴジラ映画の方向性を変えた」
「ゴジラの子供のクセにゴジラに似ていない」
「あまりにもマヌケ」
・・・などなど、昔からいろいろ言われてきた怪獣だったように記憶している。個人的に言わせて貰えば、ミニラはあまり好きではない。でも平成に登場したリトルゴジラは結構好きなので、「ゴジラに子供がいる(厳密に言えばリトルゴジラは子供じゃないんだけど)」という事実はすんなり受け入れていた。でも何となくその容姿が好きじゃないんだよな。よくミニラは、マンガ「おそ松くん」のチビ太に似ているなんて言われるが、ホントにその通りだもんな。でも、その愛らしい人間臭い仕草はなんとなく好きかな。
おっと、いきなりミニラの話から入ってしまったが、映画としての出来はなかなか良いものだと思う。本作は明らかにファミリー層を意識した作品だと思うが、こういう明るい怪獣映画は嫌いではない。寧ろ主役の久保明のコミカルなセリフや、伊福部昭とは対照的な軽快な佐藤勝の曲も相まって楽しく見れる。前作「ゴジラ エビラ モスラ 南海の大決闘」より都市破壊から遠ざかってしまったゴジラだが、たまには南の島でのびのびと暴れまわるゴジラも面白い。
とにかく、この映画は最初から最後まで明るく見れるのがイイと思う。特にゴジラとミニラが戯れるシーンはハッキリ言って笑える。具体的なシーンを挙げるとするならば、ミニラが眠っているゴジラの尻尾でなわとびをするシーンだとか。そして何と言ってもゴジラがミニラに熱線の吐き方を教えるシーンは、この作品の中でも傑作シーン。「ゴォー」と立派な熱線を吐くゴジラに対し、ミニラの熱線は何故かパイプの煙のようにリング状になってしまう。出来なくて駄々をこねるミニラに、ゴジラはその尻尾を踏んづけて無理やり熱線を吐かせる。
そんなゴジラとミニラの姿を見て、こんなセリフが被る。
「ゴジラの教育ママじゃない、教育パパか」
当時のタイムリーなセリフと共に爆笑出来るシーンだろう。
ってなカンジにゴジラとミニラのやりとりが微笑ましい作品なのだが、人間ドラマの方は結構重い。登場人物たちが島に来た理由が「食糧難を解決するため」といったモノだし、カマキラスが出現した原因は何を隠そう実験の失敗によるモノであり、東宝特撮の伝統を踏襲していると言えよう。
また、ゴジラとミニラのやりとりはとっても明るいが、敵怪獣であるカマキラスとクモンガの方は、「怪獣の恐怖」をしっかりと演出している。この二匹は、操演の素晴らしさもさることながら、実物大の足を製作したからか、登場人物のすぐそこまで怪獣が迫ってくる臨場感を醸し出すことに成功している。
その分、ゴジラ対カマキラスや、ゴジラ対クモンガのバトルシーンは時間が少なくて少々消化不良気味ではあるものの、クモンガの毒針攻撃でゴジラが初の外傷を負ったり、ゴジラが豪快にカマキラスを投げ飛ばしたりと見ごたえ充分。
その上、ラストシーンは思わずホロリとさせられ、その後に後味の良い明るいシーンが待っている。
(イイ意味で)ポテチ片手に見れば、こんなに楽しい作品はないと思うぞ。
「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」
製作:田中友幸 脚本:関沢新一・斯波一絵 音楽:佐藤勝
特技監督:有川貞昌 特技監修:円谷英二 監督:福田純
真城伍郎:久保明 サエコ:前田美波里
楠見博士:高島忠夫 藤崎:平田昭彦 古川:土屋嘉男
森尾:佐原健二
封切:1967年12月16日 観客動員数:309万人
ラストはやっぱり「ゴジラ」映画で締めよう。
来るべき食糧危機の解決のための「シャーベット計画」を実行するため、楠見博士を始めとする実験隊がゾルゲル島へと旅立った。だが謎の妨害電波により実験は失敗し、島は異常高温に包まれた。その影響で島に生息していたオオカマキリが怪獣・カマキラスへと変貌し、ゾルゲル島の地中からは巨大な卵が現れた。卵はカマキラスによって強引に割られ、中からは怪獣の子供が生まれた。そしてそんな中、島にゴジラが出現した。卵から生まれたのは、ゴジラの息子「ミニラ」だったのだ。カマキラスを倒したゴジラはミニラに教育パパさながらの特訓を始める。だが島の奥深くには、巨大クモ・クモンガが眠りについていた・・・。
「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」は1967年に公開された、「ゴジラ」シリーズ8作目。監督には前作に続いて福田純が起用され、キャストには久保明、高島忠夫、土屋嘉男、平田昭彦、佐原健二など東宝特撮の常連が顔を揃えた。
この作品は、ゴジラに息子が出来る、ということで当時かなり話題になった作品らしい。とはいっても、私自身は8年前に一回見たっきりだったなので、ストーリーはほとんど覚えていなかった。ゴジラの息子「ミニラ」といえば、最新作「ゴジラ FINAL WARS」でも重要な位置を占めていた人気怪獣だが、それ故に批判も多い。
「こいつがゴジラ映画の方向性を変えた」
「ゴジラの子供のクセにゴジラに似ていない」
「あまりにもマヌケ」
・・・などなど、昔からいろいろ言われてきた怪獣だったように記憶している。個人的に言わせて貰えば、ミニラはあまり好きではない。でも平成に登場したリトルゴジラは結構好きなので、「ゴジラに子供がいる(厳密に言えばリトルゴジラは子供じゃないんだけど)」という事実はすんなり受け入れていた。でも何となくその容姿が好きじゃないんだよな。よくミニラは、マンガ「おそ松くん」のチビ太に似ているなんて言われるが、ホントにその通りだもんな。でも、その愛らしい人間臭い仕草はなんとなく好きかな。
おっと、いきなりミニラの話から入ってしまったが、映画としての出来はなかなか良いものだと思う。本作は明らかにファミリー層を意識した作品だと思うが、こういう明るい怪獣映画は嫌いではない。寧ろ主役の久保明のコミカルなセリフや、伊福部昭とは対照的な軽快な佐藤勝の曲も相まって楽しく見れる。前作「ゴジラ エビラ モスラ 南海の大決闘」より都市破壊から遠ざかってしまったゴジラだが、たまには南の島でのびのびと暴れまわるゴジラも面白い。
とにかく、この映画は最初から最後まで明るく見れるのがイイと思う。特にゴジラとミニラが戯れるシーンはハッキリ言って笑える。具体的なシーンを挙げるとするならば、ミニラが眠っているゴジラの尻尾でなわとびをするシーンだとか。そして何と言ってもゴジラがミニラに熱線の吐き方を教えるシーンは、この作品の中でも傑作シーン。「ゴォー」と立派な熱線を吐くゴジラに対し、ミニラの熱線は何故かパイプの煙のようにリング状になってしまう。出来なくて駄々をこねるミニラに、ゴジラはその尻尾を踏んづけて無理やり熱線を吐かせる。
そんなゴジラとミニラの姿を見て、こんなセリフが被る。
「ゴジラの教育ママじゃない、教育パパか」
当時のタイムリーなセリフと共に爆笑出来るシーンだろう。
ってなカンジにゴジラとミニラのやりとりが微笑ましい作品なのだが、人間ドラマの方は結構重い。登場人物たちが島に来た理由が「食糧難を解決するため」といったモノだし、カマキラスが出現した原因は何を隠そう実験の失敗によるモノであり、東宝特撮の伝統を踏襲していると言えよう。
また、ゴジラとミニラのやりとりはとっても明るいが、敵怪獣であるカマキラスとクモンガの方は、「怪獣の恐怖」をしっかりと演出している。この二匹は、操演の素晴らしさもさることながら、実物大の足を製作したからか、登場人物のすぐそこまで怪獣が迫ってくる臨場感を醸し出すことに成功している。
その分、ゴジラ対カマキラスや、ゴジラ対クモンガのバトルシーンは時間が少なくて少々消化不良気味ではあるものの、クモンガの毒針攻撃でゴジラが初の外傷を負ったり、ゴジラが豪快にカマキラスを投げ飛ばしたりと見ごたえ充分。
その上、ラストシーンは思わずホロリとさせられ、その後に後味の良い明るいシーンが待っている。
(イイ意味で)ポテチ片手に見れば、こんなに楽しい作品はないと思うぞ。
「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」
製作:田中友幸 脚本:関沢新一・斯波一絵 音楽:佐藤勝
特技監督:有川貞昌 特技監修:円谷英二 監督:福田純
真城伍郎:久保明 サエコ:前田美波里
楠見博士:高島忠夫 藤崎:平田昭彦 古川:土屋嘉男
森尾:佐原健二
封切:1967年12月16日 観客動員数:309万人
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