今年の春興行の行方は?
2005年5月13日 映画
まずは昨日のお話の続きから。
先日見た「交渉人 真下正義」の本編上映後には、8月27日公開の「容疑者 室井慎次」の「特報」が上映された。「踊る」スピン・オフ・ムービー第2弾として公開されるのが、この「容疑者」だけれど、出演者が凄い。今日製作発表があったのでご存知の方も多いと思うが、主演の柳葉敏郎を始めとして、哀川翔、田中麗奈、筧利夫、真矢みき、柄本明、佐野史郎、八嶋智人、吹越満など、もはや言うコト無しのメンバーが揃ったようだ。中でも、柄本さんの出演は個人的には嬉しい。柄本さんは最近だと「鉄人28号」や「ゼブラーマン」とかに出演されていたけど、クセのある濃い俳優サンなので、「容疑者」での活躍も期待したい。
さて、これらスピン・オフ・ムービーが製作できるのも、何を隠そう「踊る2」の大ヒット故なのだが、肝心の「交渉人」の方はどうなのだろう?
気になるオープニング二日間の興行成績だが、興収が5億5413万1360円、観客動員数が38万9155人という好スタートを切ったようだ。とはいっても、これは「踊る2」のオープニング(興収173億円)と比べて45%の成績と、スピン・オフ・ムービーとしては渋い出足。東宝とフジテレビは「興収50億円」を目標にしているというが、結果的にここまでのヒットを飛ばせるかは微妙なトコか。正直なハナシ、最近の邦画は出足は好調でも、後に急落するというパターンが多く見られるため、これからの入りに期待だが、個人的には「ローレライ」の二の舞は踏んで欲しくはない。
「ローレライ」は、公開12日で早くも10億円を突破するなど、公開直後は盛況し、興収40億を見込む、とも言われていた。しかし、最終的な結果は興収25億と、目標の62%という結果に落ち着いてしまった。恐らく興収から考えて、観客動員数は200万〜250万が相場だろう。決して悪い成績ではないが、鳴り物入りで公開された作品だったので、せめて30億は超えて欲しかった。
ハナシを「交渉人」に戻すが、公開時期から考えても、「交渉人」はこの勢いを持続できるかは微妙なところではある。確かに「踊る2」は夏休み公開と、時期的な問題では「交渉人」がその結果を超えるというのはムリかもしれないが、一年のうちで最も映画が儲かるのは、何を隠そうGWなワケで(意外と知られていないが、「ゴールデンウィーク」という言葉は、映画業界が名付けたのである)、是非健闘してもらいたい。
ただ、映画の内容と、例の列車事故がバッティングしてしまったのも事実なワケで、このあたりが動員に響いているのもまた事実かもしれない(不謹慎なのは承知で言うのだけれども)。
ところで、何故急にこんなコトをいうのかといえば、今年の春興行は、日本映画全体を見て昨年に比べてやや落ち込みが見えるな、と正直思えたからである。
今年の春休みは一連の声優交代の影響で「ドラえもん」が不在であった。「ドラえもん」といえば、2000年以降も平均興収25億を稼ぎ出すドル箱シリーズだったが、今年それが不在となるということで、小屋(劇場)がどう埋まるか心配ではあったが、「ドラえもん」の分は「ローレライ」が見事に巻き返す結果となった。
ところが、それ以外の邦画は期待ハズレとまでは言わないものの、昨年ほどの収益をあげられていないと感じる。
例えば、金子修介監督・上戸彩主演で注目された「あずみ2」はオープニングの成績が前作の72.6%と落ち込みが激しかったし、宮沢りえ主演で個人的に注目していた「阿修羅城の瞳」は、10億円に遠く及ばないという結果になってしまった。さらに、春の目玉であるアニメ作品だと「ワンピース」は前作の6割ほどだし、毎回高い成績を残す「コナン」でさえも前作の7割に成績が落ち込んでしまった(「クレヨンしんちゃん」だけは前作の102%の出足で好調だったようだが)。
反対に「真夜中の弥次さん喜多さん」「ふたりはプリキュア」「ロックマン」などどちらかといえば小規模公開だった作品が好調だったのも、今年の春の特徴だった。
だが、大型作品がいまひとつの入りだということは、やはり残念なコトである。だからこそ、「交渉人」には頑張って欲しいモノだ。
さて、6月11日には上半期最後の砦である「戦国自衛隊1549」が公開されるが、コチラはどれほどの収益を獲得できるだろうか。
考えてみれば、昨年はシリーズものがある程度健闘したし、85億円を稼ぎ出した「世界の中心で、愛を叫ぶ」もあった。当然「ハウルの動く城」を忘れてはならない。
正直、今年はそういった爆発的ヒットしそうな映画が今のトコ見当たらないのだが(「容疑者」も「交渉人」の出足を見ると微妙か)、下半期は是非頑張っていただきたい。
先日見た「交渉人 真下正義」の本編上映後には、8月27日公開の「容疑者 室井慎次」の「特報」が上映された。「踊る」スピン・オフ・ムービー第2弾として公開されるのが、この「容疑者」だけれど、出演者が凄い。今日製作発表があったのでご存知の方も多いと思うが、主演の柳葉敏郎を始めとして、哀川翔、田中麗奈、筧利夫、真矢みき、柄本明、佐野史郎、八嶋智人、吹越満など、もはや言うコト無しのメンバーが揃ったようだ。中でも、柄本さんの出演は個人的には嬉しい。柄本さんは最近だと「鉄人28号」や「ゼブラーマン」とかに出演されていたけど、クセのある濃い俳優サンなので、「容疑者」での活躍も期待したい。
さて、これらスピン・オフ・ムービーが製作できるのも、何を隠そう「踊る2」の大ヒット故なのだが、肝心の「交渉人」の方はどうなのだろう?
気になるオープニング二日間の興行成績だが、興収が5億5413万1360円、観客動員数が38万9155人という好スタートを切ったようだ。とはいっても、これは「踊る2」のオープニング(興収173億円)と比べて45%の成績と、スピン・オフ・ムービーとしては渋い出足。東宝とフジテレビは「興収50億円」を目標にしているというが、結果的にここまでのヒットを飛ばせるかは微妙なトコか。正直なハナシ、最近の邦画は出足は好調でも、後に急落するというパターンが多く見られるため、これからの入りに期待だが、個人的には「ローレライ」の二の舞は踏んで欲しくはない。
「ローレライ」は、公開12日で早くも10億円を突破するなど、公開直後は盛況し、興収40億を見込む、とも言われていた。しかし、最終的な結果は興収25億と、目標の62%という結果に落ち着いてしまった。恐らく興収から考えて、観客動員数は200万〜250万が相場だろう。決して悪い成績ではないが、鳴り物入りで公開された作品だったので、せめて30億は超えて欲しかった。
ハナシを「交渉人」に戻すが、公開時期から考えても、「交渉人」はこの勢いを持続できるかは微妙なところではある。確かに「踊る2」は夏休み公開と、時期的な問題では「交渉人」がその結果を超えるというのはムリかもしれないが、一年のうちで最も映画が儲かるのは、何を隠そうGWなワケで(意外と知られていないが、「ゴールデンウィーク」という言葉は、映画業界が名付けたのである)、是非健闘してもらいたい。
ただ、映画の内容と、例の列車事故がバッティングしてしまったのも事実なワケで、このあたりが動員に響いているのもまた事実かもしれない(不謹慎なのは承知で言うのだけれども)。
ところで、何故急にこんなコトをいうのかといえば、今年の春興行は、日本映画全体を見て昨年に比べてやや落ち込みが見えるな、と正直思えたからである。
今年の春休みは一連の声優交代の影響で「ドラえもん」が不在であった。「ドラえもん」といえば、2000年以降も平均興収25億を稼ぎ出すドル箱シリーズだったが、今年それが不在となるということで、小屋(劇場)がどう埋まるか心配ではあったが、「ドラえもん」の分は「ローレライ」が見事に巻き返す結果となった。
ところが、それ以外の邦画は期待ハズレとまでは言わないものの、昨年ほどの収益をあげられていないと感じる。
例えば、金子修介監督・上戸彩主演で注目された「あずみ2」はオープニングの成績が前作の72.6%と落ち込みが激しかったし、宮沢りえ主演で個人的に注目していた「阿修羅城の瞳」は、10億円に遠く及ばないという結果になってしまった。さらに、春の目玉であるアニメ作品だと「ワンピース」は前作の6割ほどだし、毎回高い成績を残す「コナン」でさえも前作の7割に成績が落ち込んでしまった(「クレヨンしんちゃん」だけは前作の102%の出足で好調だったようだが)。
反対に「真夜中の弥次さん喜多さん」「ふたりはプリキュア」「ロックマン」などどちらかといえば小規模公開だった作品が好調だったのも、今年の春の特徴だった。
だが、大型作品がいまひとつの入りだということは、やはり残念なコトである。だからこそ、「交渉人」には頑張って欲しいモノだ。
さて、6月11日には上半期最後の砦である「戦国自衛隊1549」が公開されるが、コチラはどれほどの収益を獲得できるだろうか。
考えてみれば、昨年はシリーズものがある程度健闘したし、85億円を稼ぎ出した「世界の中心で、愛を叫ぶ」もあった。当然「ハウルの動く城」を忘れてはならない。
正直、今年はそういった爆発的ヒットしそうな映画が今のトコ見当たらないのだが(「容疑者」も「交渉人」の出足を見ると微妙か)、下半期は是非頑張っていただきたい。
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